第28話 忠告だけしに来たわけじゃないだろ

「それで? 忠告だけしに来たわけじゃないだろ」

 勝つために平気で他を見捨ててきたましらが、今更情けなどあるはずない。

「友達だろ?」

「縛り上げてよく言うよ」

「……はあ、だから説得は苦手なんだよ」

 猿が指を鳴らすと同時に後ろに気配を感じた。

ユウっ!」

 咄嗟に伸ばした手が友に触れることは無かった。

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