第19話 帰れる……よな

 満月の輝く空を眺める。

「……これはゲーム、理解できるのに」

 日に日に薄れていく現実の記憶。もしかしたら自分はこの世界で生まれ育ってきたんじゃないかって錯覚する日もあった。

「帰れる……よな。きっと」

 帰る場所なんて……もう覚えていない。

 帰りたいと願わなければ、全てを忘れてしまいそうで。

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