7
「うん。痛みはもう、ほとんど」
「よかった……ホントによかったよ。あのときは、もう……本当にダメだと思った」
「……ケイは、どう?」
「体の傷はもう、なんとも。リシディアの
「
「……つくづくとんでもないな、闇属性とは」
「でも、」
食うように、ヴィエルナが続ける。
「手足が、元通りくっついたのは……
『――……』
……俺とパールゥは、押し黙った。
黙る以外出来なかった。
「斬られ方がよかった」。
だから、何だというのだろうか。
続かない。
その言葉の先には、何も続きようがない。
斬られ方が良かろうと悪かろうと、彼女が
ヴィエルナも、それ以降言葉を発さない。
彼女自身、解り切っているからだろう。
こんな言葉に続きは無いと。
「斬られ方がよかった」。
だって、その言葉に続きがあるとすれば。
「だから、死なずに済んだ」。
「だから、ナイセストは悪くない」。
そんな、あからさまな
「
「っ、」
「パールゥ?」
パールゥの目がおずおずと、だがしっかりと、ヴィエルナの目を
「ティアルバー君は……もう決着はついてたのに、もう勝ってたのに……あなたを斬ったの。あなたを手足を斬り落として、ついでに首筋だって斬り裂いて、そして……心臓だって一突きにしようとした。
……ヴィエルナの表情を見て、パールゥが一度言葉を切る。
だが、必要ない。
きっと話していたのが俺でも、
「私は……ティアルバー君がいなくなってくれて、良かったと思う」
「…………」
ヴィエルナは、何も返さなかった。
表情も、元に
「…………」
……こいつは意外と、感情が表に出るタイプだ。
隠すんだったら、リストを握った手の力も
人のことを言えた口ではないが。
〝知っていたさ、そんなこと。お前が俺を
……ナイセストは、ヴィエルナの気持ちを知っていたと言った。
諦めたことも、知っていたと言った。
知っていただけなんだろうか。
それとも、何か明確な「
〝もし、あの子がアマセ君に気持ちを伝えてきたら……一生懸命、言葉を選んで、応えてあげてね。……いつもみたいに、
……もし想いを告げられて、それを明確に
気持ちに応えることに、何か意味があるのだろうか。
分からないままであった方が、良いこともあるのではないだろうか。
一方的に思いを積み重ねて、
〝やくそくするから!〟
それを
「アマセ君だって、ティアルバー君に殺されかけた。私、本当にもうダメかと思ったんだよ。あんな怖い
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