第30話 母方の血。

謙遜が美徳の時代に生まれた人だけれど、伯父は「うちの愚息が」とか、「我が家のバカ息子」などということは言ったことがない。

一貫して、「うちの子」。

伯父は、人を傷つけるような過剰な謙遜はしない。


ある日の電話でふと零れた本音。

「自分の子が何歳になったってね、可愛いものは可愛いんですよ」

このセリフ、私、大好きです。

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