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「はぁ? 地上絵だって?」
あなたの話を聞いた魔女は呆れているようだった。正直に話したものの、この反応から見てふざけていると誤解されたかも知れないと、あなたは不安に駆られる。魔女が気を悪くすると、その魔法で別の生き物に変えられたりすると言う噂話を思い出したあなたの背筋は凍った。
「この森に地上絵なんてないよ。ずっと住んでいる私が言うんだから間違いない」
魔女はあなたの説明にまともに答えてくれた。どうやら機嫌を損ねた訳ではなかったらしく、あなたはほっと胸をなでおろす。
森に地上絵がないと言うこの言葉が真実ならば、もうここに用もないとあなたは立ち上がろうとした。その動きを制するように魔女は言葉を続ける。
「地上絵があるとすれば砂漠か……そうだ、山から見下ろせば見つかるかもねぇ」
魔女はあなたにこの森の事を教えてくれたばかりか、親切に地上絵に関してのアドバイスまでしてくれた。その口ぶりから特に騙している風にも見受けられない。あなたは魔女にお礼を言って今度こそ席を立った。
あなたが帰ろうとしているのを見て魔女は淋しそうな顔をする。
「どうせ森で迷って偶然ここに来たんだろう? 仕方ない、戻してやるよ」
この魔女の言葉がよく理解出来ないままあなたが家を出ると、そこは森の入口だった。魔女があなたを森の入口まで戻してくれたのだ。
驚いたあなたは思わず振り返ったものの、もうそこに魔女の家はなかった。
あなたはこの魔女の好意に感謝しつつ、次の行き先を考える。
次はやっぱり砂漠かな
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886028099/episodes/1177354054886067303
じゃあ、山に登ってみようか
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886028099/episodes/1177354054886063549
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