第17話 俺の伝説は……

「…………」


ギルドを出た俺は町の外を目指し歩く


「……てか……門どこ?」


……俺はこの町きて3日目だ……

分かるわけがねーよ!


俺ね? 記憶力が悪い……よく物忘れするし……

人の名前だって覚えるの苦手で……だからいつもこんな風になるんだ……だって俺だぜ?


「……どこなんだ? 門……てか門って門番ちゃんいるよな……俺、隠し通せるかな?」


俺は昨日、門番ちゃんから貰ったタプを紛失し、今朝……はぁ〜最低だよ


「……嘘苦手だけど隠し通す!」


「……まっ、まず門を見つけなきゃな」


門を探してあるく……なかなかみつからん


ギルドから出てから20分以上探したかが見つからなかった……


「……冒険したい……町じゃなくて」


これはダメだな……人に聞くしか……


すると……


「本当つかえねーな! ガキ! こんなこともできねーのか! あぁ!?」


えっ? なんだ?


俺の通ってるすぐ近くのボロい家から聞こえた


「ごめんなさい! ごめんなさい! 次はちゃんとします!」


「何度目だ!? 聞き飽きたんだその言葉!!

ちゃんと稼いでくるとかもできねー癖に生意気言ってんじゃねー!!」


バチンっ!


手のひらで叩いた音だ……


「……ちゃんとします……お願いします」


「……ちっ! これで酒買ってこい! ……グズグズすんじゃねー」


「……はぁいぃ!」


これは……虐待って奴か……理不尽過ぎだろ……


バタン!


扉が開くそこから女の子が出てくる


「……頬が赤い……」


女の子はそのままかけて行った


「……ん? あの子どこかで……気のせいか?」


「……まぁいいや……それより……」


中にいるはずのそいつを俺は、ブス顔を歪ませ怒る


「……あんな小さな女の子を! 助けてあげられたら……」


だが……俺は動けなかった


「……俺は……どうすればいい……」


俺はその場でしばらく固まっていた












「……ダメだな……やっぱガキはつかえねー

そろそろ頃合いだろ……俺はさっぱりわからんがあんくらいがいいって奴らがいるからな……


多少はタプになんだろ……」




「…………」


朝からあんな胸糞悪いの見せられるとは……

モヤモヤする……くっ!


「……人のこと気にしてられるほど俺も大変なんだ……ぬぐぅ〜」


俺はある決意を固めた


「……そのためにも冒険者にならなきゃ……」


俺はまた歩く門を目指し



俺は伝説だ!


門見つけた! ヒャホー


嬉しさのあまりスキップしている


「……長かった……だがそれも終わる……

未来は俺が切り拓く! なんてかっこいいな!

フッフッフー♪」


なんかカッコつけたくなった


「……門番ちゃんの後ろ姿だ……」


門の前に鎧を着た人が背を向けて立っている


「……よし! ポーカーフェイス!」


俺は無表情を更に無表情にした……ブスさパワーアップ!


「……おはようございます」


門番ちゃんが振り返る………門番さんだった……


だって俺だぜ?


「……お? おはよう! 今日はぐちゃぐちゃじゃないな? 気持ち悪いな♪」


出会い頭にこれ……ひどくね?


「……すまんすまん、ついな?」


門番さんはテヘペロした


「そうだ、ちゃんとカード作れたんだって?」


……そういえば同棲してたな……


「……はい、出来ましたよ? スタ……スオン?」


俺流の出し方をしてカードを見せた


「……なぜ途中つまるんだよ……そんくらい覚えられないの? お前」


門番さんは馬鹿にしたように言う


「……その手なんだよ」


「……この方が持てるかなって……」


「……スタスオン……本当だ」


そのあと何度か同じことを繰り返す門番さん


「……いいなこれ」


「……えっ? 何か言いました?」


「いや? べ、別に何も言ってねーよ!」


門番さんが慌てるように言う


「…… そうですか? それと……」


俺は門番さんの反対側の誰もいないところを指差して言う


「……ん? あ、ああ〜今はいねーよ? 時間じゃないからな」


「……なるほど」


「……なんかようなのか?」


門番さんのトーンが下がり、笑顔も消えた


え? なんか気に触ることでも言ったか?


「……いえ、なんでもないです……」


「……そっ、ならいい」


元に戻った……なんだったのだろう


「……で? どこに行こうとしてんだ?」


「……あっ、はい、冒険者の試験ですよ」


「……へ〜泥人形を討伐すればいいんだよな?」


「はい、そうです」


「余裕だろ……お前でもな?♪」


馬鹿にしたような顔して笑う


「……俺は最強ですから♪」


「……ぷふっ! 最強って、ぷっ! そうか! ならがんぷふ!」


おい! 笑い過ぎだろ!


「わりーわりー♪ だってよ、あのぐちゃぐちゃの顔見たあとだとよ〜」


門番さんはゲラゲラ笑う


「……」


「ヒー、ふ〜そんな顔すんなって♪ 最強さんなんだろ? 証拠見せに来いよ! な? ぷふ」


このイケメンやろー! 覚えとけよな! 絶対見返してやるし! こう言うの成り上がりって奴だろ? 見せてやるよ!


「あ〜死ぬかと思った……ほら行ってきな♪」


「……」


俺は無言でその場を去る


「……カンスト99の力見せてやる……」


俺は闘志をメラメラともやし、泥人形を探しに出た……

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