第13話 冒険に出る前に……
「…………」
俺今日……冒険者になれると思ってたんですが……無理そうだ
冒険者って簡単になれるもんじゃないのか……
「……いやさ、いつも読む、ファンタジー系のやつはいつもその場でなってたりしてたからさ……」
えっ? カンストしてるんだから今すぐ泥人形倒してくればいいって?……ナニイッチョルン?
まずは……綺麗になることが先だろ!
受付嬢ちゃんに言われたしたな……遠回しに
という事で、俺は今から川を探す! この町の何処かにあるだろ……風呂に入りたい
それに今日はちょっと寒いわ……昨日よく俺、凍え死ななかったよな、だって俺、今、旅人ぽい服着てるだけだもの……
俺は町を歩く
「……なんかまだ信じられん。俺異世界来たんだよな……町見れば違うのわかるんだけどさ」
俺は現実では何もできなかった……親のせいにするのは嫌だが、俺のお母さんとお父さんはとても優しい人なんだよ……お父さんは仕事で忙しく、疲れてるはずなのに、俺と弟が喧嘩して揉めてるのを止めてくれる。お母さんは、まぁとにかく子供に甘い……調理師免許持ってるので料理も上手い……ここまで言えばなんとなくわかると思うが、俺が太った要因は、お母さんの料理だ、それと食べてから動かない俺を優しく色々してくれる優しさでもある。
でも、俺は親のせいにしたくない……言葉ではそう言ってしまうが……心の中では絶対に思いたく無い。俺は自己中だからな……
そうだから、ここには親も姉貴も弟も居ない……
俺は一人ぼっちだ
「……なかなか無いなー川」
みんな元気にしてるかなー
「……俺は元気だから……もう会えないかもしれないけど……俺は元気だから……」
必ず魔王を倒してみせるから
「……ぅ」
2日目にして俺は孤独を感じていた……
「……あったわ川……ズズッ……はぁ」
……まずは、体洗おう。川辺の周りは誰もいないな……よし!
「俺のこの肉体はあまり見ていいものでは無いからな……」
俺はデブな体だからさ
「うわっ! 冷たすぎだろ! こんなに入れっていうのか! 俺!」
「……ふっ! ふふふっ! いいだろう……俺はこの肉厚なボディーがある! そんな攻撃きかぬわ!」
「……ぅぅぅ」
寒っサブサブサブサブサブ〜
「カタカタカタカタカタカタカタ」
「ヤバイっで! こここれはは、ししししーぬ!」
バカだ俺! バカすぎだろ! これは無理! 死ぬわ! 早くでないと!
「服服服服服服服服!」
……てかタオルねーじゃん! 準備しとけよ!
……だって俺だぜ?
「しょしょうがねー! ぎるしかねー!」
俺は急いで着替える……ビショビショだよチクショー
「ぅぅー寒い! カタカタカタ
どどぉうしししよー……このままだと凍死する!」
ぐりゅりゅ〜
「腹も減っだ〜寒い! 俺もうダメだ! みんな俺の分も生きてくれ!」
俺は異世界に来て2日目の昼頃……何もせず死ぬ
「……ぅぅぐ、異世界なら……異世界ならぁあ!俺でも……こんなバカでデブスな俺でもぉ! なんとかなるんじゃないかって……思ってたのにぃ〜こんなのってあんまりじゃないか!」
女神様……ごめんなさい
俺を選んでくれたのに……カンストしてるはずなのに2日も生きられない……ごめんなさい
後は勇者に任せるよ……やっぱり俺じゃ勇者になれないんだよね? 女神様はわかってたんですか?こんな俺じゃ勇者になれないんだって……
補欠が先死んじゃうのっておかしいよね……
だって俺だぜ?
「……結婚してみたかったな……愛されてみたかった、愛してみたかった! 好きって言ってみたかったよ……愛してるって言われたかった……」
……さようなら皆様……私は行く女神様の元へ
怒られちゃうかな? でも俺だもん、やっぱり無理な話だったんだ……
ほらさ? 異世界転移って大体チートもらってそれ使って無双じゃん? 主人公大体普通のごく普通のってさ? おかしいよね……俺みたいなやつごく普通にいたら社会終わるよ? だからいつも主人公視点って出来なくて……その主人公がヒロインとイチャイチャし始めて、それに嫉妬してしまう自分が嫌で途中で読むのやめたやつもある……
俺は寝転がる
ほんと自己中だよ俺は……女神様にカンストしてもらったはずなのに……それを生かせず死ぬんだね? やっぱり俺は主人公じゃないんだよ……少しでも思ってた自分が馬鹿らしいよ! ほんとバカだよ俺は!
何が異世界なら行ける気がするだ! 現実がうまくいかないからって逃げてただけじゃないか!
異世界なめんじゃねー
主人公補正俺にあるって? アホか! 死ぬの?
あっ、俺今死にそうなんじゃん……
まぁでも? 異世界結構楽しめた……訳じゃないや裏モンスターに殺されかけ、町にもなかなかは入れず、宿に泊まれず野宿……
どこに楽しい要素あるの?
もう疲れた……寝よ……おやすみ
永遠に……
「あんたそこで何してるのよ……」
「……ん?」
目を開けるとそこには……
門番ちゃんが立っていた
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