第41話 半月
何気なく見上げた空に
少しふくらんだ半月が
そっと輪郭を滲ませながら
ふよふよふよふよ泳いでいて
秋の初めのひとときに
紛れもなくその存在は
完成されたパズルのように
この空のピースとなっていた
眼下に広がる街並みを
まぶしく照らすわけでもなく
周囲の瞬く星たちを
明るく輝かせる訳でもなく
それでもなぜかその姿は
まぶたにくっきり刻まれて
時が経つにつれ深まってゆく
淡い黄色に包まれて
月の漂う闇の中
存在の意味を確かめる
答えはきっと半月の
見えない半分が握っている
光も闇も併せ持つ
半月だけが知っている
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