第22話 透明

キミがこの世界は透明だなんて言うから

目をこらし周りの景色を見渡すけれど

この目に映るのは溢れるほどの色彩で

どう考えても透明とは無縁に思えてしまう


だから「なんで透明なの?」て聞いてみたら

僕の目はなにも映さないんだ、なんて

わざとカラッとした調子で言ってくるから

寂しくて悔しくて肩口をグーで殴ってみた


そしてキミに向かって言ってやるんだ

その透明な世界には太陽の光が降り注ぎ

乱反射する粒子たちが無数のキラキラを生む

幻想的な景色が広がっているんだって


そんなキレイな輝きを見ているキミの目は

何よりも美しいんだよって伝えたら

新たな透明の欠片がキミの目から溢れだし

この世界の透明がより一層輝きを増したんだ





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