クーリーローチ

 オレンジと黒の縦縞を持つドジョウの仲間。

 

 私個人の混泳水槽におけるドジョウ(ローチ系)の混泳はかなりのリスクを伴うという立場を変えるつもりはないが、本種は例外的に混泳向きのサカナといえるだろう。どうしても小型熱帯魚水槽にドジョウの仲間を追加したいという方は後述する注意点をよく守って飼育してほしい。


 本種の注意点は同じ名称で数種類が販売されていることが多い点にある。よって、混泳に最も向く種類は黒地に細いオレンジの縦縞がはっきり出ているヒモのように細い種類である。これらの特徴を確認して購入しないと巨大化したり、エビやサカナに被害が出てしまう可能性があるので、他のローチ系に比べれば遥かにリスクは低いがリスクをほぼゼロにするにはこの点は徹底するように。

 また、本種はドジョウの仲間なので砂の中に潜る習性を見せる個体もいる。コリドラスなどの底面を生活するサカナを飼育している水槽ならさほど心配ないが、できるだけ砂の粒が細かい熱帯魚用底砂を用意することで本種の生活しやすい環境を準備できることだろう。ただ、本種をはじめとするドジョウの仲間は隠れているのが基本なので水草や筒などの隠れる場所が複数ある必要があり、ないとパニックになりやすく飛び出し事故を頻発しやすいことを把握しておくこと。そうでなくても小型熱帯魚水槽では水槽にフタがあることが望ましい。


 混泳に関しては前述した注意点を守れば容易。本種が休んでいる場所に稚エビや稚魚が通りかかると食べてしまう可能性はあるが、本種は人工餌を嫌うこともないので底面にしっかりとエサがあれば他のサカナの迷惑にはならないだろう。むしろ本種はかなり臆病なので、水槽の周りで大きな物音を出さないのはもちろん人の往来も少ないことが望ましく、さらに水槽の底面環境に生体が過密気味だと本種が怖がって滅多に水槽の前面に出てこないようになってしまい、気づいたら餓死していたなんてこともありうるのでよく覚えておくこと。


 おまけとして本種をはじめとするドジョウの仲間は狭いところが好きである。だが、コリドラスほどではないが挟まって出られなくなることが多々ある。なので、水槽の隅に設備を密集させたり、吸盤によって水槽の側面に取り付ける水槽用品は本種には危険なので、本種がそれらで事故死しないように何らかの対策を施しておくことを勧める。

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