ネオンドワーフグラミー

 丸みのある体にメタリックブルーと赤の縞模様が特徴のサカナ。

 模様がキレイなのはオスだけで、メスはメタリックブルーがメインとなる。

 グラミーの中では最も有名かもしれない。


 色違いの似た種類が多数いるが「ドワーフグラミー」の名前があれば本種の仲間である。どの種類も丈夫で温厚、そのうえエサもよく食べるし、懐くと寄ってくる性格から熱帯魚版金魚のような存在。

 ただ、池や湿地帯の水辺のような止水域に生息するサカナなので、水槽内に流れがあると寄っていくが、遊んでいるのではなくワケもわからず抵抗しているのでストレスと疲労のもとである。強力なフィルターは手入れをあまり必要としないのが魅力だが、その分浄化した水を強い水流として排出してしまう。これは最小クラスの熱帯魚や本種には水質の変化よりも致命的なダメージになるので、排出される水流を弱める工夫が必要となる。あるいは本種だけなら水質の変化には強いので巨大なフィルターには手を出さず、水槽の隅に設置するだけの安価なフィルターでも十分長期飼育は可能である。


 混泳は問題ない。身内の間では力関係を比べるような仕草はあるものの、他の同種に比べて激しいものでもないので気にするレベルではない。同様に他種に関しても寛容で、食事の邪魔をされない限りは追い払うような行動はしないだろう。

 ただ、本種は極めて動作がゆったりしたサカナなので、他のサカナに積極的にちょっかいを出す素早いサカナとは相性が悪くストレスの原因になるので、混泳は避けるようにしてもらいたい。


 おまけとして、グラミーの仲間は現地では食用魚である。それもとても美味らしい。日本人の感覚だとフナのような存在。

 そんなわけで相手の国からすると「飼うの?食べないの?」と思われる。

 もちろん本種は体色の突然変異を利用した観賞魚目的に養殖されるサカナだが、原種ももちろんメタリックブルーの体色に縦縞をもつあたり、そこまで極端な差はない。そんなわけで、中型グラミーのスネークスキングラミーや小型のバンデットグラミーは現地では当たり前にいる、日本のフナやメダカのような扱いなので輸出する価値を現地の方が持たず、日本での流通量が極めて少ないというグラミー好きには困った問題がある。

 流通量が少ないからと現地の水田や畑脇の小川で日本人が熱帯魚採集をすると現地の人に観光客が暑さでおかしくなったか、腹を空かせてサカナを獲ってると心配されるので避けるように。現地の人にお金を払って採取してもらったほうが確実だし、地域経済のためにもなる。

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