ブログ♪
ガチャ、バタンッ
やべ、鍵閉めなきゃ…。
俺は帰ってくるなり、ベッドに倒れ込んだ。
ふぅ…無駄に疲れた。というか変に緊張した!!!!!!
坂井のやつ…最近変だ。まあ、いつもあんな感じでスキンシップ多いけど…。
『僕、怒ると怖いんですよ?』
…んだよ、それ。確かにすごんだけど…怖くなかったし!!!!!!
なんて嘘だよ!!
怖かったんだよ、すごぉーく!!!!
だって、下から見上げられると…全部見透かされている気がして…。
ハッ、いけないいけない!!
アイツとはあの時が初対面だったんだ。
まだあいつのこと忘れられない俺って、バカなのかな…。
俺は、一人落ち込みながらパソコンを開いた。
そういえばブログ開くの…何日ぶりだろうな…。
あ…通知以外と溜まってるな…。
こんな俺でも、ブログフォロワー30人なのです!!!!!!
え?少ない?
…うん、知ってる…だから言わないで…泣
俺は一つ一つに返信をする…。
あ、プリン太さんだ!!
この人は、最近になってよく話をするようになった。
女の人っぽいんだけど、俺と似たような職種に就いているらしい…。
~プリン太です(*`・ω・*)ゞ
更新がないですけど…どうかしましたか?
私も、あんまり見に来れてないのですが、1週間ぶりに開いても動きがなくて心配です。~
や、優しい…ウルウル
俺は慌てて返信をかけた。
さて、写真載せるか!!
[なかなか更新できんで、さーーーせん!!!!!!今日桜が散りそうだったから後輩とパチリ!! あ、顔出しはしてあげないぞ!!www(画像添付2枚)]
これで送信っと!
「画像ちゃんと載ったかな…うん、OK。」
俺は独り言をぼそぼそと言いながらカーソルを動かす。
でも、なんでアイツが…中田雅樹が頭に浮かんじゃうんだろう…。
俺があんなにいじめて…突き放して…なのに、俺がまだ思ってるなんて…。
はぁ、バカバカしいな…俺。
俺と中田雅樹との出会いは、高校入学だった。
席は名簿じゃなくてバラバラだったから前後だった。
大量のプリントを回していく作業の時。
一目惚れだった…。
プリントを回す手も…少しだけ振り向いて後ろの俺の机に置く…その仕草が…あまりにキラキラして見えた。
この時は、まだこれが恋だなんてわからなくて、コイツに興味を持っただけだと思った。
話しかけたのは俺からだった。
休み時間のこと…、前の席のやつの椅子を叩いて、振り向かせた。
「なぁ、あんた名前は?」
「…僕ですか?」
お前以外いないだろ…。
「…中田です。下は雅樹です。」
「おう、俺は西島遥だ。サイトウって読んでくれりゃいいよ。」
「はい、お願いします…遥くん。」
「ッ…。」
まぁ、ダメとは言ってないんだけど…この時の俺は、思い通りにならないモヤモヤと急に下の名前で呼ばれた胸の苦しさを、一緒にしてしまっていた。
それからだった…雅樹をいじるようになったのは。
でも、いじっているうちに、苦しさは多くなっていった。
「バカ」とか「クズ」とかいううちに…雅樹の顔が崩れる度に…胸は締め付けられて…俺の心は罪悪感でいっぱいになった。
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