変わりたいと思った訳

幸葉 紡

自分らしさ

自分らしくありたいと願うのに

否定しているのもまた自分なんだ


一人だけ世界が違うみたいな

息苦しさと喧騒で誰にも声が届かない


今日はどうしようか

明日からまたどうしよう

『自分なんて』って言葉を

保険にかけた臆病者は

傷つくことから逃げた先で

膝抱えて泣くことしか知らないんだ


特別な才能が欲しい訳じゃない

みんなと同じものが欲しい訳じゃない

自分で自分を認められる

そんな"自分"が欲しいんだ


イヤフォンで塞いだ世界

ここだけが僕の居場所だって

閉じこもることしかできなかった


顔を上げた先の

鏡に向かって叫んでいた

『お前はなんなんだ』って

今にも溢れそうな涙を

強く拭い去った


僕たちはきっと何か欠けていて

誰かの何かを知らずに持っている


君も僕も決して完璧じゃないから

真っ直ぐ歩みを進めても

どこかで振り返ってしまうだろう


だからと言って

手を取り合ってなんて無理には言わないさ

けどね、これだけは言わせておくれ


違うものは違うんだから。

認めて行こうぜ。

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