第333話 シーガル・ホワイト《仮》

 六人は、家に集まりパーカーの事について会議中だ。さらにショーリが横から口を挟むので厄介な事が増えた。


「何か、ただホワイトって言って、白いパーカーを売るのも、芸がないじゃない!?」

 サンタ。

「いや、元々、芸なんか、ねぇじゃン! デザインもシンプルだし!!」

 ショーリが茶々をいれた。


「良いじゃない。ゴテゴテしたデザインよりずっと!

 ショーリのピ○チューのイラスト入りよりずっと良いわよ!!」


「はいはい!!」

 ニコが挙手した。

「はい、どうぞ。」

 ゴンちゃんが促した。

「ほら、一色、一色に何か、意味を持たせたら、どうかな?」


「意味って…?」ムッチ。

「そうね…。例えば、横須賀を連想させるようなネーミングにするとか…!!」

「横須賀をねぇ~…。う~ン……?」

 サンタが首を捻った。


「じゃぁ~、さぁ!!

 ペリーピンクとかは!?」

 またショーリが突拍子もない事を言い出した。

「え…! 何それ…??」


「横須賀に、はびこる悪は許さない!! 天に代わって、成敗してくれる!! 横須賀戦隊 ペリーピンク参上!!っとか言って!」

 ジェスチャー付きで、ノリノリだ。


「あんたねぇ~! 戦隊モノから離れなさい! ショーリは小二か! 何が横須賀戦隊よ!!」

 私は注意するが、

「いや、いいじゃん。そんな感じよ。」

 ニコは賛同した。

 おいおい、ショーリを調子に乗せるな。


「じゃぁさぁ! ペリーブラックとかは、どう?」

「あんた、ペリーに頼りすぎだろ! どんだけ、ペリーなんだよ!!」


「いや、いいよ。👌

 グッド👍だって!!」

 ニコは嬉しそうだ。

 おいおい。


「じゃァ~、ホワイトタイガーとかは、どう。」

「どうって、も~、それ! 横須賀と全然、関係ね~じゃん!!」

「いやいや、タイガースファンが間違って買うかもしれね~だろ!!」


「間違うか。白なら何でもだろ。ホワイトライオンでも、いいじゃん!!」

「歯磨き粉になちゃうじゃん!! それだと!!」

 ショーリが満面の笑み。


「上手いね!」サンタが手を叩いた。

「じゃぁ、う~ン…!!」

 ショーリは眉根を寄せて、

「シーガル・ホワイトは!?」

「シーガル…?」

「いいじゃない。それ!!」

 ニコはご機嫌だ。


 私をそっちのけでドンドン名前が決まっていった。

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