「現実問題……、金もいるンだ！！」

「金……！？」

「堕胎（おろ）すにしたって…、産むにしたって、ただでコウノトリが運んでくる訳じゃねぇ～ンだよ！！　少なくとも３、４０万はいるだろ～！！」

「そ、そりゃぁ……、わかってけど…、そんな……、３、４０万なんお金あるワケ……！！」

「なきゃ、親に泣きつけよ。お前が自分のケツも拭（フケ）ねェ～ンだ！！　全部、親に出して貰えよ！！」

「え、えぇ…？　そんな～…、無理だよ…。」

「泣き言、言ってンじゃね～よ！！

　泣きたいのは、那奈だろ！！」

「うう…、けど……。」

「けど…、なンだよ！！」

「だって…、ボクの子供か、どうか……。」

「くゥ…、お前な…。」

「ちょっ、ちょっと、イチゴ～、ダメ！

　落ち着いてよ！！」

「お前なぁ～！　ふっざけた事言ってんじゃねェ～ぞ！！」

　拳を握りしめ振りかぶった。

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