第18話  シンクロナイズドダイバーズ

 エリア51、第13ブロックの片隅で数機のパワードスーツが背中合わせに円陣を組み、全方位から押し寄せるブロッケンを迎撃していた。

 マイの元へスーツのワープを成功させてから、ここを攻めるブロッケンの数が爆発的に増え、アンナたちは再び危機的状況に追い込まれていた。

〔コンパクトノヴァの転送を確認、やったぁ〕

 こんな絶望的な状況の中にあって、声高にそう言いながら小さくガッツポーズをとっていたのはメリルだった。

 人体に続きパワードスーツ、更には開発中の兵器までワープさせれたことが余程よほど嬉しかったのか彼女は興奮気味だった。

〔なんでそのコンパクトなんちゃらを最初に送らなかったの?そしたらマイを危険な目に遭わさずにすんだのに〕

 全方位から迫りくるブロッケンを迎撃しながらアンナがもっともなことを言う。

 が、

〔敵はマイさんを狙っています。まだマイさんのいない、つまり敵もいない場所で爆弾だけ爆発させてどうするんですか?兵器というものは敵を倒し味方を助けられなければ意味がありません〕

〔う・・・確かに〕メリルのあまりの正論にアンナはぐうの音も出なかった。

『ガリレオ自爆10秒前、9、』

 その時、終わりを告げるアナウンスが流れ始めた。

〔ファイナルカウントダウンが始まっちゃった〕それを聞き、リンが泣きそうな声で呟いた。

『8、7、』

〔マイからの連絡は?〕ハルカが叫ぶ。

〔まだなにも・・・〕それに対し、アンナはそう返すことしかできない。

『6、5、』

〔・・・お姉ちゃん〕

 そんな自分を、アリスが不安そうに見つめていることに気付いたアンナは、

〔大丈夫よアリス〕と彼女に笑顔で話し掛けていた。

『4、3、』

〔マイは、ううん。マイとツルギはブロッケンなんかに絶対負けないから〕

『2、1、ゼ・・・』

 その瞬間、彼女たちは目も開けてられないほどの神々しい光りに飲み込まれた。

 そしてそれは、マイたちも同じだった。

 まさに数兆ものブロッケンの刃が全方位からハーケリュオンを串刺しにしたその瞬間、彼女たちも眩い輝きに飲み込まれていた。

 そして信じられないようなことが起きた。

「なに、これ?」

 マイが見たのは異様な光景だった。

 ハーケリュオンが広げた両手の間に、太陽をも上回る、目も開けていられないほどの輝きを放つ光りの塊が浮いていた。

 それが、ハーケリュオンの手の間の間隔を少しずつ、だが確実に押し広げるように大きくなっていく。

「ハニぃ、これどうしよう?」

 背後から耳元に届いた声に、マイは思わず振り返った。

「ツルギ」

 そこにはツルギがいた。

 2人は優しい光りに包まれていた。

 輝きは、指を絡めて手を握ったことで重なり合った2人の指輪から放たれていた。

それが全身を串刺しにするブロッケンを飲み込みながら光に変えて吸収し、ハーケリュオンの傷を修復させていくのと同時に、に呼応するかのように2人の全身の傷も、みるみるうちに治癒していく。



 2人は完全にシンクロしていた。

 

 

 だが、ツルギは困り顔だった。

「ツルギ教えて、何が起きてるの?」

「これ、ブラックホール爆弾なんだけど」

「ええっ?」

 マイは改めて目の前の光りの塊を見た

「そ、そうなの?」

「うん、ハーケリュオンの力で封じ込めてるんだ。、チョーシンセーバクハツっていうんだよ」

「ええええっ」

 すると今度は、光りの塊が急激にしぼみ始めた。

「ブラックホールになっちゃう、どうしよう?」

「ど、どうしようって・・・あ、そうだ。・・・ツルギ、私を信じて」

「うん」

 2人は互いの手を更に‶ぎゅっ″と握った。

「「パンツァーシュラウド・ハーケリュオン。モード、クラーケン。クロス・エンゲージ」」

 その瞬間、ハーケリュオンは全身から神々しい光りを放ちながら、装甲に覆われたタコやイカの如き無数の触手を持つ異形の姿へとその形を変えていた。

 そして、ハーケリュオンの無数の触手が岩盤を突き破りながら縦横無尽に伸び、収縮していくブラックホール爆弾をガリレオの外に、つまりは宇宙空間へと摘まみ出していた。

「ハニぃ、どうするの?」

「大丈夫、ちょうどいい捨て場所がある」

「「スパイラル・ウイップ」」

 2人が声を合わせて叫ぶや否や、ブラックホールを巻き付くように掴む触手が一気に地球まで伸び、北極を覆い隠すほど巨大化したヘルゲートの穴の中に、を押し込んでいた。



 ヘルゲート内部への直接攻撃。

 それは地球が保有する軍事力の総力をあげて過去何十回も行われていた。

 が、その全てが失敗に終わっていた。

 そこに撃ち込んだ、もしくは投入した兵器が全て鏡映しのようにゲートから出て来てしまうのだ。

 それはブラックホール爆弾も同じだった。

 それゆえ人類は、電磁力での周りに力場を発生させ、穴を人工的に縮小させるエンジェルハイロウを開発したのだ。

 だが、マイにはわかっていた。

 今のハーケリュオンならブラックホール爆弾をヘルゲートの向こう側に押し通す力があることを。

 しかしそれは、2人の呼吸が一瞬でもずれていたら出来てはいなかったた。

 2人が互いを信じたからこそできた賭けだった。



 ‶ズズズズズズズズウウウウウウウウンっ″

 その瞬間、ハーケリュオンの加護から解き放たれたブラックホール爆弾が穴の向こう側で爆発し、からガリレオまで伸びていた超々巨大なブロッケンの脚が砂のように砕けていくのが見えた。




 その頃、時を同じくして大気圏に突入した物体があった。

 雲一つない空に、光りの軌跡を残しながら落ちていく隕石。

 だが、よく見るとは、摩擦熱とは明らかに違う、

 地獄の業火に焼かれるような輝きを放っていた。

 しかも自ら軌道を修正し更に加速していく。

 それは、ブロッケンのコアだった。

 爆発に飲み込まれる瞬間、枯れ行く植物が種子を飛ばすように、ブロッケンは自らコアを打ち出していたのだ。

 轟音を響かせながら大気を切り裂き、大都市目掛けて落下していくコア。

 だが、眼下の都市はすでに破壊しつくされ廃墟と化していた。・・・はずだった。

 すると突然、廃墟の中からいくつもの砲台が姿をあらわし、直上のブロッケンに向けて砲撃を始めた。

 しかし対するブロッケンも螺旋状に渦巻くドリルのような姿に形を変え、超高速で回転し、直撃する砲弾を弾き飛ばしながら更に加速して、廃墟しかないはずの大地に激突していた。

〝ドゴゴゴゴオオオオオオオォォォォォォォォォンっ″

 凄まじい爆発音と大地を揺るがす激震と共に、日差しが遮られるほどの粉塵が吹きあがる。

〝ギャギャギャギャギャギャギャギャギャ~~~~~~~~っ″

 そして、硬い物を砕く甲高い金属音が鳴り響き、そこから粉塵が竜巻のように渦を巻いて撒き散らされていく。

 ブロッケンは地下深くにあった、厚さ10メートルはあろうかという超硬合金製の壁をあっけなく突き破っていた。

 そして、そこから姿をあらわしたのは巨大な地下都市だった。

 ブロッケンは、この廃墟の地下深くに数万もの人が暮らす街が作られていたことを知っていたのだ。

 逃げ惑う人々を嘲笑うかのように、螺旋の先端がほどけながら花びらのように四方に開き、その中から小型のブロッケンが次々に姿をあらわした。

 ‶ドゴォっ″

 その瞬間、花びらのように開いた口から円錐形の、何か金属の塊のようなものが飛び出し、人工の大地に突き立てられていた。

 そしてブロッケンは、砂のように崩れながら砂津波となって街の中に流れ込んでいた。

 あとに残ったのは、地下都市を柱のように突き立てられた巨大な金属製の円錐のみだった。

 そして、引き抜かれると同時に柱はくだけ落ち、それを持つ身体中を覆う複合装甲の隙間から黄金の焔を噴き出す漆黒の巨人が、その黄色い炎の塊を円錐形の物体=ランスの先端から引き抜いて握り潰していた。

「はぁ、ギリ間に合った」

「やったね、ハニぃ」

「ごめん、ランス壊しちゃった」

「うん、仕方ないよ再生の途中だったから、大丈夫。また再生するから」

 ツルギとマイは、喜びを分かち合うようにキスしていた。

 そう。ブロッケンを刺し貫いていたのは、ハーケリュオンのランスだった。






『1、ゼロ』

 その瞬間、アンナたちは眩い光りに飲み込まれていた。

〔・・・〕

 そして光りは一瞬にして消えた。が、そのまま1秒経っても2秒経っても何も起きなかった。

 今の今まで全方位から押し寄せ、皆の目と鼻の先まで迫っていたブロッケンたちが、まるで静止画のように止まっていたのだ。

〔なに、これ?〕

〔何が起きたんでしょうか?〕

 ハルカとメリルがそう言うのも無理なかった。

 周りを埋め尽くすブロッケンたちは、まるで石膏で作られた彫像のようになっていた。

 眼前まで迫っていたツメの先端に、リンが恐る恐る指を伸ばしていく。

〔お、おい、リン〕

 エマに制止され、リンは‶ごくっ″と唾を飲み込みながらツメの直前で指を止めた。

〔アンナっ〕

 その時、突然耳に飛び込んで来た大きな声に、リンは思わず‶びくっ″となり、思わずツメ先でブロッケンを‶ちょん″とつついていた。

〔ばかっ〕

 それを見たハルカがそう叫んだ瞬間、ブロッケンはリンの指先が触れた箇所から、まるでドミノ倒しのように崩れていた。

〔こちらマイ、みんな聞こえる?〕

〔ま、マイなの?〕アンナが即座に応答する。

 だが、

〔こちらマイ、みんな、聞こえたら返事して〕

 ブレスレットから返って来たのは、なおも皆を呼び続けマイの声だった。

〔聞こえてるよマイ、みんな無事だよ〕

〔マイさんのブレスレットの受信システムに不具合が生じたようですね〕

 マイからの応答がなく困惑するアンナにそう話し掛けたのはメリルだった。

〔不具合?〕

〔ええ、設計上はワープにも耐えられるはずだったのですが・・・〕

〔みんな生きてるよね?時間がないので現状報告をします。私もツルギも無事で今ハーケリュオンの中にいます〕

〔マイ、よかった〕アンナが安堵の声をあげ、

〔マイちゃん、ツルギちゃん〕リンはもう泣きそうになっていた。

〔ブラックホール爆弾をヘルゲート内に投棄し、ブロッケンも倒しました〕

〔そんなメチャクチャな・・・〕そう絶句するサンドラとは対照的に、

〔まぁ、マイならそれぐらいやるだろうな〕とハルカが、

〔うん。マイちゃんらしい〕とリンがくすくす笑っていた。

 そして、極度の緊張状態から開放されたせいか、それにつられて皆が笑い始めた。

 その時、

〔なにか大切なことを忘れてる気がするのですが・・・〕

 ただ一人笑っていなかったメリルがそう呟くのと同時に、

〔でもね、ガリレオが地球衝突の阻止限界点を突破するのは防げなかたんだ。だよね?ハニぃ〕と、あっけらかんと言うツルギの声がスピーカーから聞こえていた。

〔え?〕その瞬間、皆の動きが止まった。

 そう。ブロッケンのコアがガリレオではなく地球の、しかも多くの一が避難する地下都市を目指したのは、ガリレオが阻止限界点を突破するまでハーケリュオンを引き付けるためでもあったのだ。

〔ちょ、ちょっとツルギ、〕

〔でね、これからハーケリュオンでガリレオを押し返すから、みんなにはその間に一人でも多くの人を脱出させて欲しいんだって。そうだよね?ハニぃ〕

〔う、うん〕

〔うんって、マイさんそれウソですよね?エイプリルフールには早いけど〕それを聞き狼狽するアヤ。だが、そんな彼女を尻目に、

〔じゃあ、通信終わり〕と、ツルギはあっけなく報告を終わらせていた。

〔え!?ちょっとマイ、ツルギ、なに言ってるの?ハーケリュオン一騎でガリレオを押し返すなんて出来るわけ・・・〕

〔アンナさん〕マイへの通信を遮るように彼女に話し掛けたのはメリルだった。

〔今は一刻の猶予もありません。今、私たちに出来ることはガリレオから一人でも多くの人を脱出させることです〕

〔でも、マイが・・・、それにガリレオがこのまま地球に衝突したら・・・〕

〔全員が脱出するまでハーケリュオンはガリレオから離れないでしょう。でも全員脱出すれば、ハーケリュオンならガリレオを破壊できるかもしれません〕

〔あ!!〕

 〔だから、マイさんとツルギさんを助けるためにも、残された人たちを一秒でも早く脱出させるのが今の私たちの責務です。違いますか?〕

〔分かった。・・・司令〕

 アンナが、そして皆が一斉にサンドラを見た。

 その視線に応えるように、彼女はブレスレットに話し掛けた。

〔よし、コンピューター、ガリレオ内の全通信網にアクセス。私の声を流せるようにしろ〕

『準備OK、いつでもどうぞ』

〔ガリレオ内にいる全員に告ぐ。私は総司令官のサンドラ・アズマイヤーだ。ブロッケンはチーム36に実験配備されている新型ギアの試作機によって全て掃討された。

 だが、ガリレオは地球への阻止限界点を突破し落下を続けている。

 今なおガリレオ内に留まる者は火急かつ速やかにから脱出しろ。

 全員の携帯端末に脱出船への避難誘導ルートのデータを送信する。皆、速やかに行動するように。

 これは訓練ではない。時間がないぞ、急げ、以上だ〕

 サンドラはそう言い終えると皆を見た。そして、

〔よし、メリル、君は私のスーツを着て脱出しろ〕

 そう言いながらスーツを着脱していた。

「これを着ていくといい」

〔え!?〕

 その言葉に、今度は皆がサンドラを見ていた。

〔でも、それじゃあ司令はどうするのですか?〕

「大丈夫だ。私にはがある」

 彼女はそういいながらブレスレットを見せた。

「これでスーツを捜して脱出する。いいから行け」

〔わかりました〕

〔大丈夫よアリス、私がこのまま安全な場所まで送っていくから〕

〔え?待ってアンナ、アリスのお母さんを一緒に捜して、お願い〕

 幼い少女を安心させようと話し掛けたアンナに返ってきたのは意外な言葉だった。

〔お母さん!!はぐれたの?〕

〔・・・うん〕アリスは返事をはぐらかすように小さくうなずいた。

「お母さんの名前言える?」

〔サラ・ハミルトン〕

「サラ・ハミルトンね。コンピューター、サラ・ハミルトンの現在位置を教えて」

 だが、返ってきたのは意外な答えだった。

『照合終了。サラ・ハミルトンの位置が最後に確認されたのはエリア49、第8ブロック43番通路です』

 「最後?それはどういうことだ?」

『サラ・ハミルトンの生命反応はすでに消失しています。現在生命活動は確認されていません』

〔アリスよく聞いて、あなたのお母さんは・・・〕

〔ううん、お母さんは生きてる、生きてるから・・・〕

 アンナの言葉を掻き消すようにアリスは叫んだ。

〔アンナお姉ちゃんお願い、アリスも連れてって〕

〔・・・わかった。一緒に行こう〕

「まてアンナ、自分が何を言っているのか分かっているのか?」

 その言葉を聞き、サンドラは自分の耳を疑うようにそう聞き返していた。

〔わかっています〕

 だが、アンナからの答えは同じだった。

「よせ、アンナ・ササザキ。これは明らかな軍規違反だ」

〔司令、いまアリスを連れて行かなかったら、彼女は母親を捜さず自分だけ脱出したことを一生後悔して生きていくことになります。それでは、おそらくこの子はこれからの人生を一歩も前に進めなくなります〕

「そんな綺麗ごと・・・」

〔マイがそうなんです〕

「え!?」

〔マイは自分がお母さんを死なせたと、ずっと自分を責め続けていました。そして、自分がジュニアオリンピックに出なければお父さんはあのシャトルに乗らなかった。お父さんは死なずにすんだかもしれない。あの時、おじいちゃんとおばあちゃんを無理矢理にでもニュージーランドに連れて行っていたら2人は死ななかったかもしれない。

 マイはそうやってずっと自分を責め続けていたんです〕

「なぜそんなことが分かる?」

〔この前ガリレオが襲撃された時のマイの映像を見ましたか?〕

「ああ、それが?」

〔あの子、お腹を突き刺されても戦うことを止めなかった。あれを見て確信したんです。マイはブロッケンを倒すために生きてるんじゃない。

 本人は倒すためって思ってるかもしれないけど・・・。

 彼女自身も気付いてないかもしれないけど・・・。

 私にはわかるんです。

 あの子は死んで家族に会いたがってるんだって。

 マイは死ぬために生きてるんだって・・・〕

「・・・アンナ」

〔マイはあの日から一歩も前に進んでいません。そして、このままだとアリスもそうなります〕

「・・・わかった」

〔司令〕

「あ~~、私は何も見ていないし聞いてない。だから早く行け」サンドラは目をつむり、両手で耳を塞いでそう叫んだ。

〔ありがとうございます〕

「あ、ちょっと待て」

〔〔え?〕〕喜び勇んで出て行こうとするところをサンドラに再び制止され、驚きの声をあげた2人が振り返ると、そこには自らのブレスレットをはずし、こちらに差し出す彼女の姿があった。

「ここから先は何が起こるか分からない。アリス、これを持っていきなさい。アンナ、彼女の手を出してあげて」

〔はい〕

 スーツの左わき腹が開き、アリスの小さな手があらわれた。

 サンドラはその手首にブレスレットをはめながら彼女に話し掛けた。

「これはギア・パイロットのみが着けることができる、いわばギア・パイロットの証しだ」

〔ほんと?〕

 サンドラからの思いがけない一言に、アリスが興奮気味に訊ねる。

〔本当よ〕スーツの左腕が開き、そこから姿をあらわしたアンナの左手首にも同じブレスレットがはまっていた。

 小さな手首にブレスレットが装着される。

「よし、これでアリスも今からギア・パイロット候補生だ。いい?アンナの言うことをよく聞くのよ」

〔うん〕

〔司令、ブレスレットなしでどうするんです?〕

「心配するな、大丈夫だ。何なら証拠を見せてやろうか?」

〔え!?〕

 サンドラは耳のインカムを押さえると、

「コンピューター、私はガリレオの最高司令官、サンドラ・アズマイヤーだ」

 そう呼び掛けていた。

『サンドラ・アズマイヤーと確認。命令をどうぞ』

「ブロッケンによる人体、特に脳への侵食と擬態によるギアの略奪に関する全てのデータから、に関連するマイ・スズシロとツルギのデータ、及びチーム36の逃亡補助罪に関するデータを消去し月の司令本部に送信しろ」

『2人及びチーム36の軍規違反に関する全てのデータが失われます。本当によろしいですか?』

「ああ、最高司令官権限で命令し、承認する」

『了解、2人及びチーム36に関する全データを消去、残りのテータを月司令本部に送信完了しました』

「どうだ?これでもまだ疑うか?」

〔し、司令〕

 その場に居合わせた全員が、彼女のあまりの行動に言葉を失っていた。



                            〈つづく〉

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