ヒトがAIに追い付く日

お竜

プロローグ

プロローグ

 うわあ、これはヤバい案件だぞ、というのが第一印象だった。


 こういうものはだいたい、意図しないときに突然見付かるもので。


 手を挙げるべきかどうか、一瞬だけ悩んだ。


 しかしこの業界、一瞬の悩みが運命を分けることもある。


 右を見ても左を見ても猛者揃い、少し判断が遅れるだけでも負けが決まる、そんなシビアな戦場でもある。


 ためらっている場合ではない。

 これは。

 見付けたものがやるべきだ。


 何よりおそらく、自分がやるべきテーマでもある。


 迷いは一瞬。


 次の瞬間には、作業を開始していた。

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