源三郎江戸日記(弟三部)
源三郎江戸日記(弟三部)7 女将がやって来て、ご家老様久しぶりですと言うので、元気そうじあな料理屋も繁盛しているようじあなと言うと、ハイ、おかげさまでと言って、今相模屋の旦那が見え
源三郎江戸日記(弟三部)7 女将がやって来て、ご家老様久しぶりですと言うので、元気そうじあな料理屋も繁盛しているようじあなと言うと、ハイ、おかげさまでと言って、今相模屋の旦那が見え
源三郎江戸日記(弟三部)7
女将がやって来て、ご家老様久しぶりですと言うので、元気そうじあな料理屋も繁盛しているようじあなと言うと、ハイ、おかげさまでと言って、今相模屋の旦那が見えられています、
ご家老にお越し願えないかと言うていますがと言うので、そうか来ているのか、それなら顔でも出すかと言うと七衛門を連れて料理屋に向かったのです、部屋に入るとようお越し下さ、
れましたと言うので、
どうだ商いはと聞くと、お陰で順調で御座います、ご家老には何かとお世話になっておりますと言うので、女将が酌をしたので杯を傾けたのです、隣にいた男をこれに控えていますの、
は、わたくしの弟で、藤吉と申しまして、江戸で反物屋を商っています、と紹介すると、初めておめにかかります、武蔵屋藤吉にございますなにとぞよろしくお願いしますと言うので、
そうか弟がいたのか、
何かと世話になるかもしれん、宜しくと杯を傾けると、聞きましたら米沢で、織物をやられましたとか、どうでしょうか、わたしにも商いをさせて、もらえないでしょうかと言うので、
七衛門どうだと聞くと、それはもう宜しくお願いしますと言うので、実はこの前伊達様のお屋敷にお伺いしましたら、お方様が米沢織の反物を殿様から頂きなされたそうで、殿様は、
上様から拝領したそうに御座います、
それで手に取ってみましたところ、あの染め具合又絹織りの手触りも、大変きめ細やかで驚いたので御座います、聞きましたら伊達様の隣国米沢で作られていると言うことでしたので、
ご家老を兄が知ていると言う事を聞いていましたので、紹介してくれるように頼んでいたのですと言うので、そうか、治憲様が将軍家に始めて出来たので献上なされたのだよと言うと、
あの絹糸を取るには、良質の桑の葉が必要で御座います、良い肥料を使われているのでしょうなと聞くので、その肥料は教えても良いが少し高いぞと笑うと、5千両ではいかがでしょう、
かと言うので、しかし、肥料だけではなくそれを育てる者の腕も必要じあぞ、肥料がわかっても腕がなければ上手くいかんので、5千両をドブに捨てる事になるぞと言うと、構いませぬ、
ご指南くだされというので、
わかった、それはスイカじあよと言うと、ハイ、スイカを肥料にするのですかと聞くので、いや、スイカを甘くするのにはどうすれば良いか知っているかと聞くと、いいえと言うので、
それはナタネから油をとった搾りかす、油粕じあよ、これを肥料と一緒に混ぜてやれば、甘いスイカになるのじあよ、桑の木ににもおなじように肥料に混ぜてやれば、甘くて美味しい、
桑の葉が出来て、
蚕が喜んで食べて良い繭を作るわけじあが、これをどの肥料とどの位混ぜるかはその者の腕と言うわけじあと言うと、なるほど、油粕を混ぜるのですかと言うので、どの作物も土が良け、
ればそれを吸収する根がよく育ち、台風が来ても根が張っている分丈夫で倒れず、よく養分を吸い取りよく育つわけじあな、生で食うてみて、甘い味がすれば良質と言うことになると言、
うと、
なる程何事にも土台が大事と言う事でござりますなと言うので、相模屋がどうだ並のお方とは全然違うじあろうと言うと、ハイ、ご家老様は学者より凄いお方ですなあと感心したのです、
藤吉がさつそく5千両をお届けしますがと言うので、そうじあな、手形で良い全国の両替商で用立てくれると都合が良いがと言うと、相模屋がこの前のくい打ちの指南料5千両とあわせて、
1万両の為替手形を書きます、
一度には交換できませぬが大店であれば5千両、その他は2千両程は都合つけてくれます、裏書に交換した分は記載しますので何回でも交換できます、ここに、用意しておきましたと手、
渡すので、それは、今回の巡察に役に立つな、遠慮なく貰ろうておくぞ、受け取りはださんが良いかと言うと、結構に御座ります、ご家老と懇意にしていただいてから家業は順調で、
御座ります、
印旛沼の干拓も事の他上手く行き、上様からも褒めらています、みんなご家老のお陰ですよと言うので、それは相模屋の腕だよと笑ったのです、女将綺麗どころをと言って、印西にも、
芸者はいるのですよと言ったのです、5人が入って来て、おいでなされませと挨拶して横に座り酌をして、町奴と言いますと言うので酒を飲み干して、杯を渡して酌をすると飲み干した、
のです、
それでは一指しと言って4人が立ち上がり奴さん踊りをと言うと、三味線に合わせて踊ったのです、中々の踊りです、踊りが終わり拍手して中々の舞いじあなと酌をすると返杯したので、
飲み干し、そなた達は江戸者じあなと言うとハイ、相模屋の旦那に誘われて印西に来ました、みんな江戸の新橋、日本橋、赤坂、深川の出に御座ります、生国はそれぞれでにごさいます、
わたしが置屋の女将も兼ねています、と言うので、どうだ住みごごちはと聞くと、この賑わいは江戸に匹敵します、驚きました一年前は野原だったそうですねと言うので、水路の植樹が、
利いているのであろうと言うと、春夏秋冬に花が見れます、このような所は殿様の庭園くらいのもんですと言ったのです、沢山稼いで沢山芸子を育ててくれと言うと、ハイ、頑張ります、
と酌をしたのです、
せっかくみなと会ったのじあから、良い物を取らせようと、財布から9両取り出し、これは次期将軍におなりになる、綱豊様から頂いた、葵の刻印の入った小判じあ、貴重な物ゆえ持って、
いれば千両になるかもしれんぞと言って、女将に2枚渡して娘にも渡してくれと言って、芸子5人、相模屋、武蔵屋に渡すと、これはこんな貴重な物をと相模屋言ってみんながありがとう、
御座ります、家宝にしますと言ったのです、
相模屋がいつの間に綱豊様にお会いになったのですかと聞くので、上様と仲直りしてもらったのじあよと言うと、どんな策ですかと聞くので、炬燵じあよと言って、経過を話すと、炬燵、
ですか、あれは良いですなと言うので、相模屋は知っておったかと聞くと、ハイなんでも室町時代に宋の国から来たそうですな、武家は軟弱として使われないそうですので、私たちも使、
いませぬが、
上様はこの冬お入りになったのですかと聞くので、そもそも米沢は寒いので、西国生まれの殿に入って冬を、越してもらおうとしたのがきっかけじあ、寒さを我慢して労咳になるより、
ぬく、ぬくと過ごした方が良いであろうというと、ハイ、それはそうですねと言うので、来年からはお前もぬく、ぬくと過ごせばよいと言うと、女将が私たちにも教えてくだされと言、
うので教えると喜んだのです、
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