封じた涙

御前誰


言葉が響く

久しぶりに会って

嬉しくて泣きたく成ったのに

違う涙が溢れそうに成る

悲しみの

寂しさの

安心の涙

色んな意味で流れた涙

独り何時もの木の上


涙が流れるのは何故

何故御前は私を忘れた

御前に何があった


何年か過ぎた

話せない

忘れた方が幸せ

知ってる

だから涙も流したらいけない

御前の幸せの為に封じる


黙って消えよう

決めてた事だ

来た時から

全て独りで終わらせよう

もう巻き込まない

守るんだ


風で消えた名前

でも聞こえたんだ御前が

私の名前を泣きながら叫ぶのが


頼むもう置いてかないでくれ

独りで背負うとしないでくれ

俺は


嗚呼

思いだしちゃったんだ

俺と御前の涙と名前を


封じた筈の涙は流れる

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