ぼっかの超短編集

山川ぼっか

第一編 魔王の日常

  吾輩は魔王。

 世界を征服することを目標に毎日配下を送り込んでいる。そんな吾輩の日常を教えてやろう。

 魔王にもなると寝なくてもいいのだよ。いつ勇者が攻めてくるかもわからんしな!はっはっは。

まずは配下のモンスターを町や森などに送り込むところから吾輩のしごとは始まる。新人勇者が多い町は日が昇って来ない限り動きがないんだ。だから日が昇る少し前に前日に倒されてしまった分の配下を送り込む。弱いやつが多いところには弱い配下を送り込む。吾輩も魔王とはいえそんなに鬼ではないのでな!がっはっは!

 勇者どもがそこそこな強さのところだと夜中でも行動してくる利口じゃないやつが現れる。そんな奴には強いモンスターを戦わさせるために夜は特に警戒をしておくのだ。そして配下の配置が終わったら朝ご飯を食べる。私はモンスターの目玉焼きが好物だ。朝ご飯は食べないと体に悪いから絶対に食べるようにしておる。おぬしもしっかりと食べるんだぞ。

 そのあとは洗濯に掃除。買い出しにも行くんだ。魔王のくせに家庭的だと??嫁にやらないとおこられんだ。嫁は魔王の吾輩より怖いと思うぞ。。。こ、このことを誰にも言うんではないぞ!!おっほん。

話を戻すぞ。

 そんなことをしているとだいたい夕方ごろになってくる。そうするととても大きいわれの城の玉座にたどり着いてくる勇者が一組や二組ほど現れる。しかし所詮は人間。吾輩の敵ではないわ!

我の戦い方を知りたいと申すのか。そんなの簡単だ。まずは配下の強いやつらを召喚する。そして大方の体力を削ったところで吾輩がとどめを刺す。倒したやつをどうするかって?吾輩は優しいといったであろう?倒したやつは墓に入れて弔ってやるのだ。しかし最近は墓が足りなくなってきていてな。困っているのだ。

 そして夜になるとな。まずは腹ごしらえだ。夜食には[ドラゴンのステーキ]や[神鳥の焼き鳥]などを食っている。夜は肉が食べることが多いな。食べ終わったらその日に倒された配下の数を確認し、翌日に必要な数の招集をかける。そして日が沈み月が隠れる夜には吾輩は散歩をする。そしてまた朝が来るといった感じだ。どうだ。すごいだろ。はっはっは……。

 しかし、吾輩にも悩みはある。魔王なんてやっていると誰も近づいて来ない。

近づいてきたって吾輩を倒そうとしてくる勇者くらい。吾輩はそんなやからではなく仲間が欲しいのだ。グループでいる勇者どもをみると羨ましくなってくるのだ。。どうすればいいのだろうかな。。 



「まおうさま~!!勇者が一人参ります!戦いのご準備を!!」

さあ!吾輩の出番か!聞き手よ。しばし待っておられよ。すぐに倒して話の続きをしてやるからな!!

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