第3話 自己紹介と作戦会議

「俺ら二人合わせて十人か......みんな協力してくれてありがとう、 早速だがこの中に能力持ちは何人いる?」

 それぞれ手をあげる思ってたより多い六人能力持ちだ。

「思ってたより多いなどんな能力か一人づつ教えてくれあと名前も」

 左から順に進んで行く。


「俺の名前は跳躍 和樹だ能力は高くジャンプができる」


「私の名前は舞楽 もも、 能力はチェイサー(追撃者)敵の位置がわかります」

(これは使える能力だ)


「じゃあ今奴らがどこにいるかがわかるのか?」

 小さく頷く。

「はい......念のためあの騒動の中能力を使って追いかけれるようにしました」

「舞楽さんさすがやなー」

 そして次々自己紹介が行われる。


「私の名前は砂井 葉子、 能力は銃を自由に作ることができます!」

「普通の日用品とかは作ることはできないのか?」

「銃だけしか作ることができないです......」


 すると嬉しそうに京川さんがこちらを見てくる。

「みんな凄い能力を持ってんなー! 優秀優秀」


 俺は一瞬戸惑ったが目を見て返す。

「ああだけど接近戦に特化した人がいないときついかな」

「だね!」


「次は俺か! 俺は矢代 大地よろしく! 能力は地面を揺らすことができる」

「地震みたいにか?」

「ああその通り! だけどまだ使い慣れていないから全然だけどな!」


「ラストは俺かな? 増田 悠真、 能力は筋力増強よろしく!」


(一旦整理をすると、 跳躍と追撃者と銃と大地と筋力増加と無敵......結構いいな)


 すると舞楽さんが話しを続ける。

「あと五人自己紹介してもらってないですわ」

 俺は能力のことを考えすぎて自分の自己紹介するのを忘れていた。

「すまんすまん、 俺の名前は藍井 風だ能力はまだないよろしく」


 他の四人も俺に続く。


「私は京川 梨花よろしく! 能力は無敵!」


「私は立花 月よろ......しく、 能力無し」


「私は若井 文よろしくねえ! 能力はないけどコツはつかめてきてる!」



「明日雨 結城だよろしく、 俺も能力は無しだがコツはつかめてきてる」


 みんなの自己紹介が終わり俺と変わって進行役となった舞楽さんが話を切り出す。

「一通り自己紹介終わりましたわね! コツを掴めてきてると言いましたね? どんな能力かはまだはっきりとしていないのですか?」


 元気に若井さんが答えた。

「私は数秒だけ透明になれる能力......だと思う!」

 それに続く。


「俺は雨を降らせて攻撃をすることができる」


「なるほどなるほどまだ能力を使うことがおそらく無理なので後ろに下がっていてください! では今から作戦会議をしましょう!」

 俺の肩をトントンと叩く。

「取られちゃったね」

(うるせえ!)


 みんなが集まってる教室の隅にある人影が......


---


「会議中失礼します、 1-Bの生徒が大前 雄大を取り返しに行くらしいです」

 校長は机を叩きながら立ち上がる。

「今すぐやめるように伝えてください」

「生徒たちはやる気なんですよ! 私とおんなじ気持ちです! もし彼らが出発したら私も行きます!」

 呆れた様子で返答する。

「君がいくら強いといっても相手の位置が分からなければ意味ないだろう?」

 するとそれならとばかりに返す。

「彼らの話を聞いたところ敵の位置がわかる能力を持っている人がいるそうです!」

 そういうとさっきまでの校長の顔色が変わった。

「位置が分かっているなら話が違ってくる......予定変更だ、 今すぐ動ける人を連れてきてくれ」


---


「ボスこいつが例のやつか?」

「ああ例の事件の活躍者だ」

 すこし不思議そうに質問をする。

「お前がそいつを殺さないのは予想外だ、 てっきりもうやっていたと思っていたよ」

 少し笑いながら間を空けて返す。

「こいつは使えるから置いとかないとな」


---

「モーラス! ウインドとの連絡が途絶えました! おそらく......」

 腕を組みながら何かを考えている。

「おそらく奴らにやられたな、 奴らの能力さえ分からなかった......作戦は失敗だ」


---


「主に戦闘をしてもらうのは大地さんと増田さんということになります。 それを後ろから砂井さんの援護」


 みんなやる気がある......今回の件で自分も不甲斐なさを知ったからだろう。


「うちは何をしたらいい?」

「京川さんは無敵でしたよね? お二人がたの援護をお願いします」


 準備運動をしているのかすごい高くジャンプしている人がいる。

「もしかして俺必要ないかな?」

 悲しいことをいい少し舞楽さんは動揺してしまい否定する。

「そんなことないですわ! もし敵がいるところが高いところにいれば大活躍です!」


 ジャンプをするのをやめて再びジャンプをする。

「じゃあ地下とかは活躍できねえじゃねえか!」

 ジャンプをしている最中に跳躍の肩を矢代が叩く。

「どんまい!」


 話が切り替わる。 彼女は話を進めるのがとてもうまい。

「能力無しは出来るだけ後ろにいてください! スキができれば大前さんを救出に!」

(俺ら能力無しの仕事は救出することだ)

「了解」

「りょう......かい」

「あいよ」

「わかった」

「この作戦は今日を予定していますわ!」


 みんな驚く素振りはなかった、 一刻も早く助けたい気持ちが強いのだ。

「というわけでそれぞれ準備をしてください!」

 そうして一旦解散となりそれぞれが準備に移る。


---


「他の奴らまだきてねえじゃん」

「お前一人で十分だ」

 ぴょんぴょんと飛び跳ねながら今までとは違うテンションで答える。

「俺強いしね! 俺は何をしたらいいのかな?」

 大前 雄大を指しながら命令を出す。

「おそらくこいつのクラスメイトが助けに来る」

「なるほどなそれを狙えばいいってことだ、 さっきから気になっていたんだがそこの子は監視役かな?」

「話が早くて助かる、 ああ逃げないように見てもらっている、 とりあえずお前は狙うことだけ考えろ」

 今までとは違う目つきで返事をする。

「了解だ! ボス!」

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