異世界探偵 柊朝嗣

@Inao

プロローグ

例えば君は謎解きは好きだろうか。

私かい?私の場合は好き嫌いではなく、人間が呼吸をするように、あるいは食事をするように必然的な生理現象だと考えてくれて構わない。

私がこのような説明の仕方をするのにはそれなりの理由がある。

それは私が、そうしなければ生きて行くことができないのだ。

勿論、知識を欲しているだとか、推理をしなければ生きていけないような身体などという気はない。

単純に金銭的な面での話だ。

私は専門的な、そして極めて特殊な仕事に就いていてね。


いやすまない、話が逸れた。

そう謎解きさ。

いやなに、これまでいくつかばかり、人に頼まれ、怪奇と呼べる現象のそれぞれを解決してきたわけなのだが、いかんせんこれらをレポートにまとめ上げるのに疲れてきたのだ。

正直にいうと面倒になった。

だってそうだろう?

別段、日記を書くようにそれらを記すならば私ももう少し頑張るさ。

しかし、このレポートが大衆に出る幕もなく、高々1人のためだけに書き綴るのも仕事とはいえ馬鹿らしくなってきたと思い始めてしまった。

するとどうだろうか、締め切り期限まで近いというのに驚くほどに筆が乗らない。

はてさて、困ったものだ。

これはいよいよ本格的にフリーのライターでも雇わなければならないか。

全く、今度あの女にあったら一言文句を言ってやろう。

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