対自分の意思
「オヤ?刺さないんですカ?」
黒かばんは目を細めてニタニタと笑いながら言った。
一方かばんは顔に汗を滲ませながら歯を食いしばって動けないままだ。
「な…なんで―」
と、消えてしまいそうなくらい掠れた声で。
「なんデ?それはアナタの《意思》ガ弱いからですヨ」
さらに続ける
「【除け者】はアナタでしたネ」
そう言って完全に勢いが死んだかばんを下から突き飛ばし、立ち上がった。
「まタ、倒しにきてくダさいネ」
そう言って黒かばんは《ゆうえんち》を去っていった。
かばんはただ、その背中を後ろから睨みつける事しか出来なくて。
無力な自分を呪いたくて。
ただ呆然と倒れ込んだ
「かばん…ちゃん…」
意識を再び強制的に呼び起こしたのは、聞き慣れた声。
「サ、サーバル…ちゃん」
「ゴメンね…戦え…なくて」
サーバルは謝罪したが、その声は、震えていて。
「ううん。ありがとう。」
でも――
それでも――
「まだ負けて…ない…よ」
かばんちゃん、と続ける
「かばんちゃん…は…頑張り屋…だから…」
サーバルちゃん――
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