第18話 よしきの提案
よしきと一緒に居ると余り前田さんの事は考えないで済む。
前田さんが男子と話している。
前田さんが女子と話している。
前田さんが困った顔で笑っている。
とかとか。
これまで気にしていたけどよしきと一緒に居ると僕は前田さんから開放された気持ちなる。
僕もよしきの様に自立した男になりたい。
もっともっと世界を知りたい。
そこでよしきの提案で合コンが開催された。
相手は超が付くお嬢様高校の生徒二人らしい。
合コンなど産まれて初めてなので、ドキドキしながらよしきに訪ねたい事があったので訪ねてみた。
「よしきって彼女とか居るの?」
教室の中で小声言う。
「はい?」
珍しい生き物を見る様に瞼を見開いた。
「嘘やろ?」
確認する様に僕を見る。
品定めをしているみたいに頭の先から足の先まで見る。
「自分、彼女出来た事あるん?」
「え? 無いよ。ってかあんまり女子と話した事ないかも」
ちょっと照れてしまう。
中学生の時も視線の先にはいつも前田さんが居て、それ以上でもそれ以下も無かった。
業務的な会話はするが、プライベートな話は女子とは皆無だ。
「よしきは彼女居るの? 出来た事あるの?」
「俺は今、五人と付き合ってるわ! んで、合コン相手はこの前、俺の店に来たからナンパしてんや」
「・・・」
言葉が出なかった。
五人?
誤認ではなく? 五人?
そして俺の店って何?
よしき凄いよ。本当に。
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