少年期[530]当然、終わっても何かがある
(確かにラッキーティアは超超超高級宝石だ。マジックアイテムを造るのにも使える優良アイテム。高値で取引されるのは解ってるんだが……まっ、こっちは懐が潤うから嬉しいんだけどさ)
前回は黒曜金貨十枚、そいて今回は黒曜金貨九枚と白金貨が八十枚。
今回のオークションで何だかんだお金を大量に使ったゼルートだが、即座にそれを超えるお金が懐に入って来た。
お金を受け取った後、オークションの主催に感謝の言葉を伝えられ、その場から離れる。
「相変わらず物凄い高値が付いたわね」
「だな、貴族の大半は見栄を張りたい人達なんだし、それほど金を払ってまで手に入れたい物なんだろう」
「私はあまりそういうのに興味は持てないが……人それぞれというものか」
「そういうもんだ。大量に金を払って手に入れたラッキーティアが自分の財力を知らしめる道具になるんだしな。あれにはそれだけの価値があるってわけだ」
だが、手に入れた者の財力を知らしめる道具にはなるのだが、他者からラッキーティアを狙われる可能性が高くなるのは言うまでもない。
喉から手が出るほど欲する、その言葉が良く似合う貴族の欲望。
例え他者を殺してでも欲しいと思ってしまうその魅力に対し、ゼルートは呪いに似た様な感覚を覚えた。
「さて、買うもん買って貰うもん貰ったんだ。今日の夕食はパーっと豪華な店で食べるか」
「賛成!!!」
「今日は……というより、ゼルートはいつも太っ腹だったな」
ラームは大喜び、ルウナも何だかんだで上品で美味な料理を食べられることが嬉しいので自然と頬が緩む。
アレナ達もそれに反対する気は無く、心の中では喜んでいた。
ただ、今回のオークションで欲しい物を全て手に入れたゼルート。
当然のように自分が欲していた出品物をゼルートと競り合ったことで買えなかった者も存在する。
「すまない、少し時間を頂いてもいいか。ゼルート・ゲインルート殿」
「……誰だあんた?」
オークション会場から出る前に二人の護衛を連れた大柄な学生服を着た男がゼルートに声を掛けてきた。
「お前、この方が誰だか「やめろっ!!!! ゲインルート殿は一人でSランクの魔物を討伐なされた方だ」っ、も……申し訳ありませんでした」
自身が仕える主に太々しい態度を取るゼルートに嫌悪感を抱く従者だったが、主の男の一喝によってすぐさま深く頭を下げる。
(おぉっ! なかなかしっかりとしてる人だな。それに従者の人も素直に言う事訊くし……まぁ、向こうの嫌悪感が消えてはいないけど、しつこく無いだけまっしだよな)
声を掛けてきた男が普通にまともな正確であったので、とりあえず話を聞くことにしたゼルート。
「自分はバジル・ガーラスと申します」
「そうか、知ってるようだけど俺はゼルート・ゲインルートだ。それで、俺に何の用だ」
オークションの最中に自分と競い合っていた人の顔を覚えていないので、流石にどの落札商品に用があるのかまでは分からない。
「恥を忍んで申し上げます、ゲインルート殿が落札した聖剣バールクスを買い取らせて貰えないでしょうか」
「「お願いしますっ!!!!」」
深く頭を下げるバジル・ガーラスに続いて従者の二人も頭を深く下げてゼルートに聖剣を買い取らせて欲しいと頼む。
聖剣バールクス、文字通り聖なる剣で聖属性の効果が付与されている長剣。
そしてただの聖剣では無く、火属性の甲かも付与されているので刃から放たれる火は聖炎となる。
ランクは七であり、ダンジョンの中からはそうそう現れない武器。
(良い武器なのは間違いない。だから落札したんだし。まぁ、このガタイの良い兄ちゃんにも欲しい理由があるからこうよって頭を下げてるんだろうけど……)
「まぁ……とりあえず、その理由を訊かせて貰っても良いか?」
そこを知らなければ聖剣バールクスを売っても良いか悩む事すら出来ない。
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