少年期[483]あの戦いに参加していたら

ガレンに紫電の刃を渡し終えたゼルートは妹のセラスと会い、一時間ほど自分達がどのような時間を過ごしてきたのかを話した。


といっても、セラスはまだ三才であり、自分の経験をそこまで上手く話すことは出来ない。


(まぁ、三歳児って普通はこんなもんだよな。俺が超異常だっただけだ)


今更ながらに自分は色々と常識外れだったのだと感じたゼルート。


ただ、自分と同じくガレンとレミアの子供であるセラスの才能は本物らしく、既に魔力操作のスキルを習得していた。


(まだ五歳になってスキルを授かってもいないのに大したもんだな。でも、父さんの話では武器にも興味があるみたいだし……やっぱり俺達はしっかりと父さんと母さんの血を引いてるって事だな)


全員が一定レベル以上の武器と魔法を扱える。

セラスに関してはまだまだこれからの話だが、ゼルートはセラスも必ず自分達と同じ道を通ると確信した。


そしてセラスとの会話も終わり、まだ夕食時まで時間があるのでゼルートはブラッソに合いに向かう。


「よう、久しぶりだなブラッソ」


「あぁ、中々に久しぶりだなゼルート」


(あれ、なんかむっちゃ人語が流暢に喋れてないか?)


ゼルートの記憶にあるブラッソの人語はもう少し固いものであったが、今のブラッソは特に違和感なく人の言葉を喋っている。


「随分と人の言葉を話すのが上手くなったな」


「そうだな。自分でも少し驚いている。それと、お前がどういった冒険をしたのか話は聞いているぞ。中々刺激的な日々を送っていたそうじゃないか」


「あぁーーー……まぁ、そうだだ。確かに刺激的な日々ではあると思う」


一般的な冒険者からしてもゼルートの冒険者になってから今までの出来事は刺激的……というよりは、大きなイベント事が多すぎて寿命が削れると考える。


(刺激的な出来事もあったけど、面倒な出来事も多かったよな。まぁ、今のところ大きな問題は無く過ごせてるから良いんだけどさ)


「悪獣との戦いはどうだった?」


「悪獣との戦い、かぁ……久しぶりに本当に暴れた! って感覚だったかな」


「ほほぅ、ゼルートが暴れた、か。なら森は更地になったのか」


「いや、別に更地って感じには・・・・・・なったか。全部が全部という訳では無いが、俺と悪獣が戦った周辺はボロっボロになってたな」


幸いにもゼルート達に周りには一人も大討伐戦に参加した冒険者や兵士はおらず、被害者はいなかった。

しかしゼルートと悪獣がガチでぶつかり合った結果、ボロボロになった森が元に戻るには長い月日が必要になる。


「羨ましいな。俺もその戦いには参加したかった」


「ブラッソがあの戦いに参加してくれていたらもっと早い段階で敵を殲滅出来ただろうな」


ブラッソはあまり周囲を気にして戦う様な性格ではないので、基本的に一人で戦う事になるだろうがそれでもブラッソの純粋な力を考えれば大抵の敵は問題無く蹴散らすことが出来る。


(でも、ブラッソが思いっきり敵をぶっ潰していくとなると、絶対に魔物の素材や魔石は粉々になっている可能性が高い。大剣を使って貰えば素材とかはそこまでボロボロにはならないか?)


斬撃系の武器で戦うならば、対象が真っ二つになるだけなので素材や魔石はそこまで傷付くことは無いだろう。

そう考えたゼルートだが、甘い考えだと思って首を横に振って消した。


(ブラッソだったっら大剣の面を使って魔物をぶっ潰しそうだ。もしそうなったら・・・・・・ぺしゃんこ確実だな)


鈍器系の武器で無くとも魔物を圧し潰す。

それが容易に出来てしまう程にブラッソのパワーは飛び抜けている。


「でも、そう遠くない内に隣国と戦争があるらしいぞ」


「戦争、か。その戦いでは存分に暴れても良いという事か?」


「勿論だ。ただし、味方に被害を加えないように頼むぞ」


「そうか。戦争なのだから見方が多くいるのか……一人で突っ込んだ方が良さそうだな」


普通に考えれば自殺行為なのだが、実力がランクSに届きかけているブラッソにとってはギャンブルでも何でも無い選択。

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