第一話〜幕間5〜

えるみん:だみー! 質問があるとです!


 戦闘が終わるなり、意気揚々と話しかけてくる。


だみ:なんじゃらほい。ネタバレは受け付けんぞ?

えるみん:そんな質問しないしー!

 あのさー、戦ってる間、轟木さんは何してたのー?

だみ:…………あ。忘れてたあああああ!!


 ほんとはNPC効果としてリソース配る予定だったのにいいいい!?


えるみん:忘れられた轟木さんが泣いてそう(笑)

 あともう一個いいー?

だみ:なんだ……? 言うてみ……。

えるみん:あのねー? なんでキングタイガーさんは影裏君のこと、アマイマスクって認識したのー?

だみ:……それはね、影裏がこのキャンペーンの主人公、PC1だからだよ。


 嘘である。それには別の理由がある。あるが、それを言ったらつまらない。

 なので釣り上がろうとする口角を必死に取り繕う。


えるみん:そっかー! 主人公だもんね! 因縁つけなきゃだー!


 ……こいつが単純で助かった。


だみ:さ、次が本当のラスボスだ。

えるみん:!? クライマックス2は無かったんじゃなかったの!?

だみ:いや……ああ。そうだよ、次のボスを倒せなくては、日常に帰れない。とくと見るがいいさ(笑)

えるみん:このGM嘘つきやがったなー!? がんばれユキさん、mistoさん! こんな奴やっつけちゃえー!


 私は腹を抱えて笑いそうだったが、ここは我慢、我慢だ。

 たぶんプルプル震えてるだろうけど、この女は気にも留めてない。

 さあ、ラスボス──バックトラックの時間だ!

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