平凡な僕が星になりました
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第1話 僕の現状
"僕は特別な人間ではない"
だから僕は特別じゃない僕が嫌いだ
僕が特別な人間ではない事を知ったのは中学最後のピアノコンクールだった。
いや、本当はもっと前から知っていたけど、認めたくなかったのかもしれない。
僕の父親は、音楽の世界では知らない人がいないぐらい有名なピアニストで、誰もが認める特別な人間だった。
家族の僕から見ても父は特別だった。だからそんな父に憧れるのは必然だった。そんなわけで僕がピアノを始めるのに時間はかからなかった。
ピアノを初めて間もない頃は、とても楽しかった。楽譜通りに弾けば音楽の世界が広がりとても僕にとって心地の良いものだった。
だけどある日をさかいに父は変わった。僕がピアノコンクールに初めて出てから父は僕に本気でピアノを教え始めた。
それから僕のピアノに対する気持ちは徐々に嫌なものに変わっていった。ピアノの練習の時は父のことを先生と呼び、そこに家族という関係はなくただただ、父は厳しかった。
コンクールには何度も出たが優勝は愚か入賞もできなかった。
でも頑張ればいつかは…と思いながら時が経ち…
中学の最後のコンクールまで一度も僕は入賞もできず、受験を言い訳に父からそしてピアノから逃げた。
父は、僕がピアノを辞めることを止めなかった。父も僕が特別な人間でないことを薄々気づいていたのかもしれない。そのかわりというわけではないが妹の美菜にはしっかりピアニストとしての才能が継いでおり結果を残していた。
そんなわけでピアノを辞めて約3年経ち、高校最後の年になっていた。そして僕は僕の人生に輝きをくれた、水野あかりと出会うことになる。
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