第41話「セントクロスに抗え、その先に未来を見据えて!」~ストーリー構想など~

・クロスト、ヴィータスト、スフィンストを前に現れたバイストはセントクロスとシュラト隊の精鋭たちが搭乗しているハードウェーザーだ。シャルは戦いに巻き込まれた子供を平気でバグエスパーに乗せて戦わせたうえに特攻させるなんて許せないと怒りをあらわにする。これにセントクロスは別に私は子供を救おうと思ってやっているにすぎないと全然反省の色も見せない。才人は訳が分からないと思わず声を荒げるのだが、バイストは3機に向けてエックス・サイキックビットを放って牽制。そこから彼らの精神を逆にとっとらんと念動力を発動する。


・そもそもセントクロスは幼い頃から高い超能力を身につけていた。彼女の家は研究所であり彼女の超能力に関して測定が行われ、高い結果をはじき出すと両親が喜んでくれるとの事で、その時の彼女はただ無邪気にその能力を駆使していた。しかしとある組織からセントクロスを実験材料として使わないかとの誘いがあり、その為の研究資金に両親は目がくらみ彼女を実験材料として差し出すことを承諾してしまったという。両親に捨てられたことがセントクロスにとって心の傷となり、さらにとある組織から戦闘兵器としての転用を考え彼女は肉体改造を施されてしまった過去があったという。成長した自分のこの体も改造されて得たものであり、彼女は自分が汚れてしまった存在として強く憤り脱出とともに組織を壊滅させた。そして彼女は自分と同じ被害に子供たちが遭わないようにと、バグロイヤー超常将軍として子供たちを大人たちから引き離したうえで、彼らを同じ超能力者として強化して子供たちが大人たちに利用されないようにする為の一つの救済。また彼ら子供たちが超能力者として力を得る代償として寿命を削られてしまうらしいのだが、彼女はむしろ子供のまま死ねることは美しくきれいな事であり、彼らを救済する事がもう一つの方法だという。天羽院と手を組んだのも子供たちを次々と超常軍団の一員へ引き入れるには都合が良いからと、また天羽院がもはや社会や大人そのものを恨んでいる事から互いの利害が一致したとの事もある。ウィンは天羽院がお前を利用しているかもしれないのだぞと説得するも、彼女はあの天羽院ごときその気になればいつでも自分が始末する。それよりも子供たちの救済の方が大事だと聞く耳を持たなかった。


・シャルはそんな力ずくで子供たちを救おうとすることなんてエゴじゃないか!と真っ先に反論した。すると彼女はまだシャルを子供だと言い、子供はもっと素直にならないといけない事、そしてあなた達は私たちの子供より強いかもしれないが……と言いながら攻撃を開始した。エックス・エネルギーフィンガーから形成された二本のビームサーベルがヴィータストを狙うが、クロストがバスター・ホイールを手にした上でヴィータストを守るようにビームサーベルを受け止める。さらに地中からスフィンスト・ランダーが飛び出してバイストをドリルで突き上げた上でバスター・ドリルバンカーを投げ飛ばしてクロストの両腕を落とす。これで形成は傾いたと才人は反撃に転じようとするが、すぐさまバイストの両腕が再生された。驚きを隠せない彼だったがドリルランサーで突っ込もうとしていたスフィンストが、バイストのエネルギーフィンガーから展開されるシールドに跳ね返されてしまう。この再生能力を前にどう立ち回ればよいのだろうか……。


・これで私の強さがわかったでしょ?とセントクロスは再度サイキックビットを放って3機の動きを封じ込める。子供のうちに彼らは早く救済してあげなければいけないと彼女は眼帯を外してテレパシー能力を解禁する。最もウィンに関してはもう子供と言い切れない年頃として彼女には最初に地獄を見せてあげたほうが良いと思った。するとウィンの目の前が真っ暗になり、彼女の足元に誰かがすがりつく……ポーだ。姉さんは私と一緒に死んだはずなのにどうしてまだ生きているの?と彼女は姉さんの為に自分も戦うことを選んだはずなのに自分だけ死んだのはおかしいとウィンもあの世へ引きずり込もうとしていたのだ。そしてクロストがゼット・フィールドを展開させてビットのバリアーを解こうとしたときに、セントクロスはエクスも邪魔者とみなして悪夢を見せる。その悪夢とはゲイルから僕が守るべき妹のはずが、何で自分より強くなってその上自分を手に賭けたのかと指摘する。あの頃へ帰ろうエクスと彼もまた彼女をあの世へ導こうとする。最後にイチへも悪夢をみせようとテレパシーで働きかけ、それは自分がバグロイヤー側で戦っていた事を犠牲者たちから後ろ指刺されるものであった……だが、イチはこの悪夢に屈するようと耐えていた。才人は二人と様子が違うことからイチに大丈夫なのかと問うと、彼は何となくですがエクスさんとウィンさんはハドロイドになった事に関して詰られて心に迷いが生じているのだと考える。自分の今見せられている悪夢は確かに苦しいが、自分がハドロイドになったのはエージェントとしての宿命、またそのエージェントとしての道も自分の意志で、誰かの為に選んだことではないからまだ耐えられる。僕の大切な姉さんはまだ生きているからと正気を保っていた。才人はイチの意外な精神力に見直しながらバイストに啖呵を浴びせる。自分だって正直姉さんが死んだときは悲しかったけども、俺の家族が俺をどう思っていたかを考えるのはあんまり好きじゃねぇ……あの頃の過去を振り返るより、自分はこの戦いから先の未来を信じていたいと叫ぶ。この啖呵にシュラト隊の一人が精神エネルギーに耐え切れずに倒れて、ビットの力が若干弱まる。シャルもまた僕だって本当の両親の事を考えると時々寂しいけど、僕を正しく導いてくれた今の両親がいて、僕をちゃんと送り出してくれたんだから!と屈しない姿勢を見せるのだが、ウィンがポーの事で振り切ることが出来ない状態だった。


・だが才人、イチ、シャルの悪夢に抗う意志の強さはセントクロスをじりじりと追いつめており、ややしびれを切らした彼女は抗う相手がいないクロストを標的にしてエネルギーフィンガーで胴体を貫かんとする。その時バイストの背後からネクストが参上した。サイレント・ブローがラインドナウXを突き刺して、サイキックビットを無力化させる。玲也は才人とシャルの抵抗っぷりによくやったと称賛して、アンドリューに転送銃G1で撃たれてすぐさまクロストへと乗り移る。玲也は恐怖に震えるエクスの両手を取って彼女を安心させる。過ぎ去った過去を忘れるなとは言わないが、固執し続けてもだめ、ファルコ家の人間としてお前が新しいファルコ家を作ればよい、それに自分だって出来る事があるなら力になるとの激励を受けて、彼女はやはり玲也様がそこにいらっしゃると凄い安心すると泣きながら抱きつく。最も彼女がこの場でも熱烈なアプローチを仕掛けようとする様子はあったので、玲也は離すのだが。


・一方まだ悪夢から振りほどけていないウィンに対してアンドリューはリタが散った事を告げる。これに彼女はショックを受けるものの、リタはおめぇに自分の体を託していった事を告げ、おめぇが本当は戦いを望んでいない人間だとの事も知っていたと説き、アンドリューはもしウィンがその気ならリタの体をお前に託してやる、ハドロイドとしての未来しか残されていない今から一歩踏み出ることが出来ると……。このアンドリューの申し出をウィンはリタの体を借りて生きることまでしたら彼女にもポーにも申し訳ないと拒むと、シャルは彼女の頬を平手打ちして、ポーちゃんだってリタだってウィンに生きていてほしいってことを望んでいるんだ!二人の気持ちを踏みにじるなと啖呵を切る。この時ウィンはポーの悪夢はもしかしたら自分が強く彼女への罪悪感に駆られているから見せられているのではないかと感じていく。


「ポー、すまないが私はまだそっちに行くことは許されてないし私もしたくない。だがウィン・スワンはいずれお前の元へやってくるかもしれない……」


・ウィンが吹っ切れた時ポーは笑顔を見せて「姉さん、またね」と言い残して消えていった。そして今は生き延びるために戦わないといけないのだと決心したヴィータストはアンドリューからの提案を受けてネクストとコンバージョンを果たす。アンドリューはバイストがどうやら何度も再生するハードウェーザーとの事らしいが、妙案があると玲也、才人にも作戦を伝えた。何度も再生できるハードウェーザーでも弱い箇所は確実にある。その為にスフィンストがグレーテスト・サークルと合体した状態で背後から奇襲を仕掛ける。これにバイストがエネルギーフィンガーで捕まえようとするとクロストのバスター・マチェットが両腕を切断し、スフィンストがサイキックビットでグレーテスト・サークルが損壊しながらもそのサークルを思いっきり背中に投げつけて、ヒートドリルで背中のラインドナウXを粉砕する。これにもやはり再生しようとするバイストだが、アサルト・スタンバーでネクストが胸部の装甲を粉砕した上で素早くコンバージョンを解除。ネクストはすぐさまビーグル形態に変形した上で何と胸部のコクピットへ突撃を敢行したのだ。何度も復活するとしてもパイロットたちはそうとは限らない。アンドリューは覚悟を決めてバイストのコクピット内でネクストを変形させると内部から巨大化するネクストがコクピット内側から押しつぶしたのだ。これにセントクロスがテレポートして脱出を図るも、クロストの電次元ブリザードが生身の彼女に向って炸裂した。凍結していく寸前セントクロスは自分が殺されようとしている事に、既にいない両親へ子供のように助けを求めて泣き叫びながら……。シャルはセントクロスが悪い大人に利用されて道を踏み外してしまった、そんな可哀そうな境遇は僕にもわかると同情を寄せるが、それでも大勢の子供たちを救うといってこんな戦いの道具にして死なせてはいけなかったんだと玲也は指摘せざるを得なかった。そして内部からバイストを圧壊させるような変形の反動でネクストは電装を維持できずに解除してしまい、リンも結構消耗している様子だった。イチは彼女の容体を心配するが、イチの手をリンは握りながらお姉ちゃんは大丈夫だから、まだ戦える……と安心させようとした。アンドリューは玲也達にリンの事は俺に任せてくれ、最悪お前のマルチブル・シンクロードを使えば何とか電装は出来る。リスクはあるがこいつは何があっても俺がくたばらせねぇとの事。アンドリューの強い意志が滾る言葉を受けて玲也はリンが戦い続けることを望んでいる事もあり、彼に後を託すことにした。


・そして超常軍団の残党たちを何とか止めながら、バグロイヤーの本陣……いわばブレスト、リキャストに合流していく。その為にシャルは才人にマーゼストを託し、自分がクロストに乗ってブレストの元へ急ぐこととなった。才人はマーゼストを自分が動かす大役に驚きながらもハッスルしているが、エクスはよりによって何故シャルに動かされなければいけないのかと突っ込む。これにシャルは僕だって正直嫌だが才人よりはクロストを動かしたことがあるとの理由で仕方なくとの事。そして玲也は彼女の転送銃G1に撃たれてブレストへと転移する。


・そしてブレストとリキャストはバグロイヤーの本拠地とされるヘルケノへ接近していた。玲也はゼルガと共にこの戦いで決着をつけなければならないと固く約束するが……ヘルケノの本拠地は既にもぬけの殻との状況だった。いつの間に天羽院はと脱出したのだろうか。ホーミング・シーカーを放って探ろうとするブレストだったが、ホーミング・シーカーが

電次元フロストランチャーによって落とされてしてしまう。そのフロストランチャーを持つハードウェーザーがウィンダスト・ウィナー……ガリオはちょうどお前がブレストに乗っているとはちょうど良いと、お前を倒してニアを奪ってやると宣言をしてきた。玲也はわざわざブレストに似せた機体に再設計してまでニア狙いで自分と戦おうとするとは、正直自分のクローンとしても呆れてものが言えないと言いながらも、いい加減引導を渡さないといけないかもしれないと彼からの挑戦を受けて立った。リキャストに天羽院らの捜索を頼む玲也にゼルガは勝てるのかと彼を案じる。すると玲也は貴方の兄さんの力もあったが以前勝ったことがある点、そして相手がわざわざ俺と1対1の決闘をするためにブレストの得意な土俵に乗っている点、最後にこの場で負けるつもりは自分にはない点と自信を示したことで、ゼルガは流石私の好敵手だと言いながら彼にこの決闘を託す。今ウィンダスト・ウィナーの前にブレストが降り立った……

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