第3話「集う!全世界のプレイヤー」ストーリー構想など

・春休みとの時期から玲也には時間が残されている。アンドリューは出動時以外の殆どの空いた時間を玲也たちの指導に費やした。彼の指導はスパルタだがマニュアルに囚われない実用性の高い内容であり、玲也は父を救うために独り立ちしなければならないと必死で食らいつくように学んでいった。その様子にアンドリューは改めて彼を面白い可能性の持ち主だと期待を寄せ始めていた。

・そんなさ中世界各国のプレイヤーとのミーティングに玲也が顔合わせとして参加することとなった。現在出動している中国チームを除き、ロシア、イギリス、ドイツ、アメリカチームが出席した。だが、玲也が3人のハドロイドのプレイヤーとの観点でドイツのマーベルからこの13歳の少年にそれだけの資格があるかと問われる。これに玲也はこれから努力を重ねていくと答えるも、父の為に戦う事を親離れできていない子供だと指摘されて歯がゆさを感じる。アンドリューは過去の戦いの記録を見せて玲也の実力を認めさせようとするが、ブレスト、クロストはまだしもネクストは戦いの記録がない事から、「3人を従えているなら3人分戦えることを証明しなければいけないのでは?」とさらに突っ込まれると、玲也は返す言葉がなかった。ロシアのカプリアは彼女の意見に一理あると静かに答え、イギリスのアトラスは彼女の口が悪いから気にしすぎるのはいけないと玲也を励ます。


・そんな折に中国チームとは異なる別の地点からバグロイヤーの部隊が接近していたとの報せが。これに玲也はリンを指名して、ネクストで出撃。その様子にロシア、ドイツ、イギリスチームは傍観する。これはハードウェーザーの活動時間とインターバル時間の兼ね合いもあるが、マーベルの挑発を受けて玲也はどう動くかを見守るつもりだった。


・だが目の前の敵は、バグロイヤー三番隊長ことエリル・ハイドマンが率いる専用バグレラの姿があった。目の前の彼を倒して認められなければいけないと玲也は少し焦り気味だが、リンは目の前のバグレラの群れに対して体の震えが止まらなかった。その為玲也が攻撃に移ろうとする前に、彼女はトランスクロスの効果を発動させて姿を消してしまう。この様子に玲也は相手に感づかれないまま見逃してしまったとか洒落にならないと必死で彼女を説得するが恐怖のあまり彼女は聞いてくれなかった。


・結局バグレラ達はイーテスト・ブラストによって退けられた。玲也は何も活躍することが出来ずマーベルから期待外れだと嘲笑され、また別地点で戦っていた中国チームのコイからも新入りとはいえ何も役割を果たしていないと厳しい指摘が……玲也はリンへ流石にいら立ちをぶつけざるを得なくなり、その様子にニアはリンの事情も考えないで自分の目標だけを押し通しているのではないかと皮肉る。


・この様子にアンドリューとリタはコイへもう少し場を繋いでほしいと頼んで、玲也とリンへ話すことにした。アンドリューは玲也に対して、実力は伴っているが二人の気持ちがかみ合っていない事に問題があると指摘し、お前の父を救いたい目的は恩のある自分としても同じだが、お前の目標の為に戦いが待ち構えているのではないと窘める。彼の叱咤に玲也はコイから役割を果たしていないとの指摘を思い出して反省する。


・それからリタがリンの事情を聴いた所彼女は両親をバグレラの襲撃で殺されており、その時同じハドロイドだった筈の弟が拉致されてしまったとの過去を知る。家族が引き裂かれたトラウマがリンを戦いから遠ざけているのでは……何か彼女がトラウマを払しょくする事がなければ厳しいかもしれない。玲也はどうすればよいか考えながら、定期巡回のシフトに入る。


・定期巡回で特に大事がない……筈だったが、発見した脱出用ポッドを回収したことで状況が一変した。ポッドの中には由奈という少女がいた。彼女は父に内緒で同じ艦に乗っていた所をバグロイヤーの襲撃を受けてしまい、慌てる中で自分だけで脱出用ポッドに乗ってしまったという。父を見捨ててしまった事と無事が心配で不安がる彼女を玲也は必死で励まし、目の前で親を喪おうとしている子供がいるのだと考えるとリンの心は不安だった。そんな彼女に対して、玲也は同じことを今考えているかもしれないと確かめると彼女もまた由奈の父が乗っている艦を救おうと決意した。


・由奈の父・紅梅司令はPARの代表会議へ向かう途中に艦がバグロイヤーの襲撃を受けていた。その指揮を執るのはエリルであり、彼は部下たちのバグレラ・フライトに艦とそれを護衛するセカンド・バディシリーズを次々と撃墜させて、それを手柄として競わせるゲームとして楽しんでいたのだ。そんなエリルのやり方に憤るようにネクストは参上した。トランスクロスを駆使してフライト部隊の攻撃をかく乱させ、次々と背中のアサルトハーケンで切り倒していく。だがエリル・カスタムの狙撃がトランスクロスに直撃し、カモフラージュしていたネクストの姿は見つかってしまう。右腕が損壊したネクストはエリル機への抵抗として左手のアサルトナックルを飛ばすも見事に空振りする。両手を失い勝利を確信したエリルは引導を渡そうとするが……それは玲也の仕組んだ作戦だった。飛ばされた左手に向けて電次元サンダーを左腕から放つと、左手が電磁波で連結され、その左手がエリル機の背後から電次元サンダーを射出した。これで隙が生じたエリル機へネクストは勢いよく突っ込みアサルトハーケンを背中からエリル機へ突き刺した上で、左腕の電次元サンダーをゼロ距離で放って引導を渡した。


・その後イーテストと共に艦はドラグーン・フォートレスへと着艦した。そこには電装マシン戦隊のスポンサーでもある天羽院が乗り込んでおり、ネクストの活躍から彼を積極的に売り込みたいとの打診がエスニックにあった。だが玲也は元々父を救うために戦っていたわけで有名になろうと考えてはいないと関心は持たない。それと別に由奈が玲也に対して手を振っている姿を見ると、その父も事情を察して彼に向けて頭を下げている姿が目に入って、同じく頭を下げた。自分たちの戦いで助けることができる人がいるとの事を気づかされた玲也はリン達へ酷いことも言ったと謝る。父を救う事しか今までの自分は頭になかった、ハードウェーザーのプレイヤーとしてバグロイヤーから多くの人々を守らなければいけないのだと。それは誰かに認められるられない、有名になるならないと関係ない使命だと。彼がその大切さに気づいた様子をエスニックやアンドリュー達は遠くから穏やかな様子で見守っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る