第74話 盗用されし論文

〔あああ・・・多分私のせいだ・・・〕


ログインするなり、落ち込んでいるユウタ。何を落ち込んでいるのか理解できない。普通にゲームで遊べるラッキーでいいと思うんだけどな。


〔あの企業・・・あのタイミングで汚職・・・大学の方では教授の論文盗用で大学が2週間の休校・・・あああ・・・多分私のせいだ・・・私のスケジュール空ける為に謎の力が働いたんだ・・・〕


〔いや、考え過ぎだと思うぞ。偶然だろ偶然〕


俺が慰める。


〔そ、そうだにゃ。ほら、あの企業の影響で仕事がなくなって、同時に盗用で話題になってる大学にも通ってるとか、ほら、まるであのイケメンアイドルと同じ境遇だにゃ〕


トキが冗談を言って慰める。


〔えっ・・・いや、その・・・そうですね、偶然そうですよね。いやー、実は同じ大学なんですよぅ〕


ユウタが急にわたわた始める。何だろ。


〔えっ、いや、あ、そうだにゃ、偶然だにゃあ〕


何故かトキまでわたわたする。


〔えー、ユウタってもしかしてぇ〕


レイがにまーっとする。何かあったのだろうか。ログを見返すが、よく分からない。


〔と、とにかく、私も何故かリアルの仕事の調整がついたので、しばらくゲームをたくさんできるにゃ〕


〔私も調整できた!〕


〔僕もです。というか、ユウタさん同じ大学なのかなー〕


〔私は勿論いけるぜ!〕


なんかよく分からないが、みんなレベル上げをできるらしい。ちなみにこっちは結構自由が効く仕事をしているので、こうやって好きな時期に休む事ができる。給料はすげー安いけど。


〔よし、じゃあ行こうか〕


星屑の洞窟最下層、1100の制限から狩り。狩りは順調。3時間毎にアジトに戻って休憩。ユウタのレベルを見つつ、制限を少しずつ上げていく。稀に出る兎が美味しい。


夜解散した後は、ソロで狩り。星屑の洞窟、ソロでも突破出来るようになっていた。


2日後くらいに、3次職、トレジャーハンターをマスターできた。まだスキル取ってないのがあるので、セカンドにつけるが、とりあえずはファーストを決める。てっきり選択肢は1つかと思ったら、2つあった。


シーカー[☆4]

 前提条件:

  ・トレジャーハンターのレベルが200以上である事。

  ・レンジャー系列以外の職業を経験していない事。

 説明:

  ・探求に人生を捧げた存在。

  ・全ての武器の適正値が最大。

  ・探索のエキスパート。


トレジャーマスター[☆4]

 前提条件:

  ・トレジャーハンターのレベルが200以上である事。

 説明:

  ・財宝を司る存在。

  ・全ての武器の適正値が最大。

  ・武具や道具の真の力を引き出すスキルを覚える。

  ・財宝に出会う運命係数が増大する。


トレジャーマスターは、昔最後に就いていた職業だ。シーカーなんてあるのか。しかも、この転職条件罠過ぎる。ひょっとして他の職業にも、専門職があるのだろうか・・・俺他の人に別職勧めちゃったよ。以前あったアコ姫なら、アコライト系列ばかりやっていれば、辿り着くかも知れない。


ここはシーカーだな。


スキルは・・・徐々にスキルが解放され、解放されるまで見られない仕様か。現在取得可能なのは、


指し示す杖[☆5、MAX1]:

 進むべき道を指し示す棒を創造する。

 一度方向を指し示すか、一定時間経過で消失する。


導きの星[☆5、MAX20]:

 到達能力を強化する星を背負う。

 自分を含めたPT全員の最大体力、最大気力、最大魔力、ステータスを向上させる。


絶対看破[☆5、MAX1]

 あらゆるまやかしを見破る。

 また、光が全く無い状態でも、昼間のように見る事ができる。


流星行軍[☆5、MAX20]:

 流星の如く行動する。

 自分を含めたPT全員の移動速度を激増させる。

 また、索敵にかかりにくくなる上、自軍より弱い敵に対し、妨害を許さない。


運命の星[☆5、MAX20]:

 運命力を強化する星を背負う。

 自分を含めたPT全員の取得経験値、レア取得率を向上させる。


どれも強いけど、必要ポイントが鬼だ。4次職は、本当になかなか上がらない。まだみんな休みみたいだし、夜のソロもあるし、頑張って上げよう。


その後4日程、狩りを続け、みんなのレベルも大分上がった。廃狩りの上、経験値2倍が大きい。後、みんなの連携が上手くなっているので、敵を倒す効率も凄く高い。


シルビア ニンゲン 男 Lv.2418 シーカー Lv.11 トレジャーハンター Lv.200[+11]

レイ ワーキャット 女 Lv.1632 戦巫女 Lv.101 守巫女 Lv.88

ユウタ 男 ワードッグ Lv.1436 ビショップ Lv.69 パラディン Lv.41

サクラ 女 ドラゴ Lv.1722 ダイミョウ Lv.137 プロフェッサー Lv.93

エレノア 男 エルフ Lv.1561 エルダーアルケミスト Lv.116 エルダーウォーロック Lv.97

トキ 女 魔族 Lv.2014 ニンジャ Lv.189 マジックマスター Lv.174


〔みんなのレベルも上がったし、そろそろ要塞ダンジョンに挑もうか〕


〔行きたい!!〕


レイがぴょんっと飛び跳ねる。


〔ますたぁのレベル上がる速度がおかしいのにゃあ・・・〕


トキがぶつぶつ言う。そんなことないと思うけど。みんなと同じくらいの幅で上がってるよなあ。


〔ますたぁ、夜寝なくていいみたいですからね。いいなあ〕


ユウタが言う。


〔差が・・・縮まらないの・・・にゃあ・・・というか・・・倍になってるのにゃあ・・・〕


トキがぶつぶつ言う。えー?


〔今度こそ攻略したいですね〕


エレノアが言う。


〔今ならいける気がするぜ!〕


サクラが正宗をヒュンッと振り回す。

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