月虹

時満ちる端から

崩れ去る砂の牙城


月は項垂れて

巡教の旅を続ける


青い夜の帳に

小夜啼鳥の声が薄く広がり


夢は結晶クリスタルの瞬きで

空に砕け散る


仄白く空に架かる

月虹まぼろしの橋の向こう岸では


音もなく忍び寄る

無声映画サイレントの夜明け



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