今、生きていること。

ろゐ

第1話もう、嫌だ

暮れなずむ、街並み。

一つ、また一つと明かりが灯る。

家族が待つ家へと急ぐ人々。

道路を行き交う、車。


「はーーぁ…」


ただ公園のベンチに腰掛け、忙しない人々をただぼんやりと眺めていた。


「わたしには……ない。」


ふと気を抜いたらまた、ほんの数時間前の地獄のような場面がフラッシュバックする。

蹴り、叩かれて、殴られる。

割れたガラス、空を舞う血しぶき。

そのどれもが、最悪だった。


「今日はどこで寝ようかな…」


突発的に家を飛び出した私は、お金も食べ物も持っていない。

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