タイムスリップ<2>

akari

第1話 失業

戻ってきたあの日から1ヶ月。

何事もないような、何か違うような。

違和感だらけでしっくりこない。


大家さんは何事もないような態度だったと思ったら、

最初にタイムスリップしてから1週間しか経っていなかった。

要するに最初のタイムスリップから1週間後に戻った?


会社に電話したら上司に言われた。

「無断欠勤で1週間は長すぎる。警察に連絡しようかと思ったほどだ。

 何をしていた? 会社は辞めてもいいんだぞ」


「すみません。

 実家の祖母が倒れて。今日死ぬか、明日死ぬかという騒ぎで。

 電話する余裕がありませんでした」


「余裕? 電話など1分で済む」


「ごめんなさい。心の余裕がなくて」


「それでどうする。辞めるのか?」


「はい、これ以上ご迷惑かけられません」

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