第16話

5月16日 △交禁忌の日




「医心方」第二十八巻



「房内編」だそうです。

房内は、そう、「閨房房事」(けいぼうぼうじ)、寝室、寝間、特に夫婦の寝室をいい、王侯貴族の奥まった部屋でおこなわれる


男女交接の教科書


といったものだったよう。

△家の性教育は精緻な枕絵と聞いたこともあるし、そうしたきまりごとの中の一つが5月16日のようですね…





5月16日 △交禁忌の日





江戸時代の艶本『艶話枕筥

』(つやばなしまくらばこ)に、


「五月十六日房内禁事、犯すときは三年を出ずして死す。」


とあるらしい。

この話は、平安時代の代表的な医書にして日本最古の医術書である


「医心方」(いしんほう、もしくは、いしんぼう)


に由来しているようで。

著者は丹波康頼(たんばのやすより)。

後漢の、渡来人の子孫と伝えられるという人物で、かれは仏教とともに日本に伝わった隋・唐の医書、約80冊から大切な部分を抜き出し、


総論/

針灸/

内科/

外科/

製煉製剤法/

石薬/

婦人科/

産科/

小児科/

延年法/

養生法/

房内/

食養法/


等々を30巻にまとめ、982年(永観2年)、当時の朝廷に献上したのだそう。

この書は、重要文化財として京都・御室の仁和寺に保存されているとか。

ちなみにこの丹波康頼さん、俳優の、丹波哲郎氏のご先祖様らしいです。


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