都まんじゅう

 本編でみなみさんが食べていた、「都まんじゅう」は、富士宮市で売っているお饅頭です。通称は「みやまん」。いわゆる今川焼き系の小さなお饅頭ですが、中身は白あんです。生地は結構重めで噛みごたえがあり、小さな割には腹持ちが良いのです。


ルックはこんな感じ

https://www.instagram.com/p/BiYe4jbBqBO/


 お値段、ひとつ30円。小学生のお小遣いでも買えるリーズナブルさも魅力で、「自分のお金でおやつを買う」という行為そのものにテンションがあがります。


 この都まんじゅうには焼き印が押してあるのですが、その図柄がなぜかパンダ。もちろん富士宮市にはパンダはいません。いちおう「上野」という地域はあるのですが、パンダはおろか、動物園すらありません。謎なのです。


 そして、通称の「都まん」なのですが、富士宮なのですから、「宮まん」でいいはず。なぜ「都」なのだろう、謎は深まるばかりです。そう思いながら地元民は、お茶と一緒にパクパクいただいているのです。


 ところがつい最近、友人にこの話をしたところ「wikipediaに乗ってるよ」とのこと。早速見てみると、長年の謎が解けました。


 wikipediaによると、元々は福岡の機械メーカーが饅頭をプレスする機械を作成したのが始まりで、それが昭和10年頃に東京へと進出して「都まんじゅう」と名付けられ、全国各地に広まったそうです。


 その地域の一つが富士宮だったようですね。「宮」でなく「都」のわけも、パンダの焼き印の謎も解けました。


 ともあれ、小学生でも買えるリーズナブルで腹持ちのいいお饅頭。それが都まんじゅうなのでした。

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