8
大柄なサンタは目をむいて、博斗=サンタを指差した。
「貴様、何者だぁ!」
「ふぉっふぉっふぉっ。みての通り、わしはサンタクロースのおじいさんぢゃよ」
「サ、サンタさん!?」
燕が目を丸くした。
「ふぉっふぉっ。もちろんそうじゃよ。他に誰がいるんぢゃね?」
「ほんとに、ほんとに?」
燕は繰り返した。
「ほんとぢゃ」
博斗=サンタも根気よく繰り返した
「最近、わしのニセモノの悪いサンタが多いようで、困っとるんぢゃよ。ふぉっふぉっふぉっ」
「そうか、あいつらは悪いサンタさんなのね!」
燕の顔が理解に輝いた。
「そう、悪い奴ぢゃよ」
博斗=サンタはうんうんと首を縦に振って繰り返した。
「もし、あの悪いサンタを倒してくれたら、わしはとってもうれしいんぢゃがなあ」
「わかった! つばめ、やっけるよ!」
「燕!」
燕を四人が囲み、桜が真っ先に口を開いた。
「いやあ、サンタさんってほんとにいるんだねえ。僕が間違ってたよ。あっはっはっ」
「でしょでしょ?」
燕はぴょんぴょんと飛び跳ねた。
「あのね、あのね、やっぱり、つばめね、みんなといっしょがいい」
「もちろん。あたし達もよ。燕がいないと、寂しいもんね」
遥の右腕がまっすぐに突き出され、人差し指がピシッと怪人を指差した。
「サンタクロースになりすまし、子ども達の夢を奪おうなんて、絶対許さない!」
五色の炎が燃え上がったかと思うと、スクールファイブの姿が現れた。
「いいかげん正体を見せなさい、ムーの怪人!」
怪人はサンタクロースの姿のまま、ビュッと飛び上がると、空中で宙返りし、着地したときには大きな雪ダルマとおぼしき姿になっていた。
「冷凍怪人、スノームー!」
「ふん。おまえみたいなみたいな悪いやつに、やられるもんか! てあぁぁぁっ!」
ブルーの狙いすましたキックがスノームーの頭に炸裂した。
「おげぇぇぇぇぇっ!」
スノームーが悶えた。
ブルーがジャンプして戻ってくると、レッドは四人に声をかけた。
「とどめよ! スクールフラッグ!」
四人が旗を送り出し、ふらふらとしているスノームーは旗に包まれ、アーケードの天井に突き当たるところまで持ち上げられた。
レッドが放り投げた旗竿がその包みを貫き、スノームーは白い爆発を起こして最期を遂げた。
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