切なくて、美しい物語でした。
描写が丁寧で素晴らしい。

息が苦しくなるような薔薇の芳香が、読んでいて迫ってくるようでした。

言葉の一つ一つが美しくて、感嘆の息をつきながら読み進めていきました。
悲しみを抱えたまま生きていくということと、むせかえるような薔薇の生命の香りがシンクロして、寂しさと力強さが合わさった不思議な感覚になりました。

一番、「神様はそんなに親切ではありません」という一文にはっとさせられました。
夏向さんは深い悲しみを抱えている人間だからこそ、優しく出来るのだと、染み渡るように思いました。

最後に、自主企画への参加、ありがとうございました！

ところどころ、じわっと滲みだすような気持ちが、けれど丁寧に描かれていて、心に響く作品でした。
最後の『むせ返るような生命の香りに包まれながら、限りない憂鬱を生きてゆく為に息をして、……』という行が、物語に筋を通していて印象的です。

病名は蜂窩織炎では無いでしょうか…あるいは人食いバクテリアか…

この先の展開を楽しみに拝読致します。

素敵なお話ですね。切ないところと甘酸っぱいのがバランスよくかけているとおもいます。
いつも、切ないけど爽やかな感じもするので、感心しています。