浅葱色の桜
初音
今から読もうかなと思っている人と、随分前に途中まで読んだけどどんな話か忘れてしまった人に向けたこの物語のダイジェスト
「浅葱色の桜」のページにお越しいただき、ありがとうございます。
2020年8月現在、本連載は30万字を越えておりますがまだまだまったく終わる気配はございません。
たぶん、初めて来られた方や、久しぶり来られた方は「うっ、今から追いつくのは大変だな……」と多かれ少なかれ思われると思います。
しかし、せっかく少しは興味を持っていただいてここに来てもらっているのに、読む前に回れ右されてしまうのは、正直、寂しい……!
というわけで、今回は現在物語として一区切りついている第64話までのあらすじを詳しめに紹介します。もちろん、ネタバレも含まれております。ちゃんと物語を読み進めながら話を知りたいんだ、という方はこのページを超速でスクロールしていただき、末尾の「1.産声」にお進みください。ちなみに65話から新選組もので一番有名な「池田屋事件」編ですので、そこは本編で読んでいただきたいかな……と。
こちらは「そういうことなら1話から読んでみようかな」「その部分もっと詳しく読みたいな。〇話から読んでみよう」などと思っていただければ幸いだなという意図で掲載しています。
能書きが長くなりましたが、数話ごとに分けまして紹介させていただきます。
第1話~第5話 「主人公・さくらの幼少期編」
物語の主人公・近藤さくらは剣術流派・
そんな中、近所のやんちゃな男の子・信吉とひょんなことから喧嘩になり、さくらは負けてしまいます。その時言われたのが、「女のくせに」という言葉。
女だから父親の跡を継げないのだと子供ながらに気にしていたさくらには酷な言葉でした。悔しさから、父の門人の息子だった
さくらに転機が訪れたのは、十二歳の冬。母の初と買い物に出かけた時、辻斬りに遭遇。目の前で母親を斬り殺されてしまいます。通りすがりの青年に助けられ、さくら自身は無傷で助かりますが、心の傷は大きなものでした。
この経験から、さくらは「強くなりたい」と本気で天然理心流を学ぶことを決意するのです。
第6話~第15話 「さくらの修行編――天然理心流宗家になるために」
母親の死から三年後、父・周助は再婚し、さくらには義母ができます。最初は上手くやっていこうとするさくらですが、「女のあなたが跡を継ぐなんてとんでもない」といったことを言われ、すっかり苦手意識が生まれてしまいます。この頃のさくらは「跡継ぎになりたい」という思いから人一倍稽古に励み、天然理心流を順調に習得している時期でした。
義母・キチから距離を置くためにも積極的に多摩方面への出稽古に向かうさくらを待ち受けていたのは、後の
勝五郎は、驚異的なスピードで天然理心流を習得していっただけではなく、さくらにとっては同い年にもかかわらず人として二歩も三歩も先を行っているような人物でした。そんな勝五郎のことを周助も気に入り、さくらの婿養子に迎えようと計画します。しかし、これには本人たちが反発。この時代には珍しく本人の意思を尊重しようと周助は、婿ではなくさくらの弟として養子に来るように求めます。二人で切磋琢磨してほしい。そして、どちらかに天然理心流を継がせたい、と。
ライバルの登場に、さくらは動揺を隠せませんが、勝五郎から言われた一言がきっかけで、再び剣術の稽古に邁進していきます。その一言というのが「一緒に武士になろう。武士なら、二人でなれる」というものでした。
その後、さくらは
第16話~第21話 「のちの新選組主要メンバー、集結!」
四代目を襲名した勝五郎(勝太)改め勇は、ツネという女性と祝言を上げます。今までずっと一緒に稽古をしてきた勇を取られてしまうようで、複雑な気持ちになりながら酒を煽るさくら。そんなさくらを「しょうがねえな」と言いつつも介抱してやる歳三。三人も気づけば二十代後半。未だ武士になることもできず、なる方法もわからず、ひたすら稽古に励む毎日を送ります。
勇の四代目襲名披露野試合を前に、試衛館には文武両道の
第22話~第29話 「いよいよ武士になれる……!?恋の予感も……?」
襲名披露を終えた近藤家では、勇の娘・タマが生まれたり、歳三の親戚・里江を女中として雇ったりと一層賑やかになっていました。そんな中、講武所という幕臣を相手に武術を教える道場で、指南役を募集しているという情報が舞い込みます。身分は問わない、という触れ込みを信じ、勇とさくらは二人で応募して出かけていきます。結果は、二人とも無事合格。試衛館は一気にお祝いムードに包まれますが……
後日、一転して二人は不採用、となってしまいます。理由は「勇は農民出身だから」「さくらは女だから」身分の壁が立ちはだかったのです。そんな二人を歳三は励まし、立ち上がらせ、改めて武士になれる方法を探そう、と三人は誓います。
チャンスは程なくしてやってきました。一か月後に将軍家茂が京都に上洛するにあたって、その警護役を募集しているというものでした。今度こそ、身分は問わないという確約を得ますが、女のさくらが参加することには難色を示されます。そこでさくらは
こうして、さくら達試衛館の面々は、京都に向けて出発するのでした。
第30話~第38話 「波乱万丈の京都への道のり~さくら、初めて人を斬る」
道中で出会った「
その後、ちょっとしたすれ違いから芹沢は激怒し、宿場町の真ん中で焚火を始めてしまいます。さくらと勇の必死の訴えで芹沢は火を止めてくれましたが、さくらが女であることを皆の前で話してしまいます。
潔く、自分は女だが、志は男と同じだと浪士組の上役を説得するさくら。なんとかそのまま浪士組の一員として上洛することを許されます。しかし、そんなさくらをよく思わない人物もいて――
京都に着くと、浪士組を結成した張本人の
さくら達は「壬生浪士組」と名乗り、京都守護職を務める会津藩の預かりという身分に収まります。これをよく思わなかったのが、
第39話~第43話 「壬生浪士組、軌道に乗り始める」
会津藩のお預かりとなった壬生浪士組は、藩の主催する御前試合に招かれます。この頃には
第44話~第52話 「壬生浪士組のトラブルメーカー・芹沢の最期」
芹沢鴨は、普段は豪胆で強い頼れるリーダーでしたが、酒を飲んだ時に気にくわないことがあると暴れたり、物を壊したり、人を傷つけたりするようなところがありました。そのせいで、橋の上で道を譲らなかったからという理由で力士と喧嘩したり、揚屋で暴れて店をめちゃくちゃにしたり……。
さくらは、酔った芹沢に手込めにされそうになった一件があり、芹沢への不信感、警戒心を持ってはいましたが、武士らしい振る舞いやその力強さは尊敬していたし、何より子供の頃助けてもらった恩があることから、心から芹沢を嫌っているわけではありませんでした。
それでも、芹沢の行動は目に余るものとなり、ついに会津藩から暗殺の命がくだります。勇たちの配慮からさくらは実行犯からは外されますが、芹沢はすべてを察し、どうせ斬られるならさくらに斬られたいと考えます。さくらもその思いに答えるように、実行メンバーに名乗り出ます。
こうして、芹沢とその仲間を葬り去ったさくら達試衛館派の面々は新たに「新選組」と名乗り、芹沢の死を無駄にしないよう、ますます精進しようと誓うのでした。
第53話~第58話「さくら、諸士調役兼監察になる」
勇を局長にした新たな体制での新選組は、芹沢派の残党粛清から始まりました。そして、これから新選組が一枚岩として活躍していくためには、内外の情報が大切だということで、さくらは「諸士調役」「監察」に任命されます。前者は外の情報収集、後者は内の情報すなわち隊士の素行調査などが主な仕事。女子姿と男装姿を使い分けながら、さくらは不逞浪士の情報を探っていきます。
そんな折、遭遇した浪士たちとの戦いで、山南が腕を負傷。刀が振れなくなってしまいました。さすがに山南も気落ちしているのが誰の目にも明らかな中さくらは以前山南から言われた「適材適所、自分の得意なこと活かして任務を全うしていけばいい」という言葉をかけるのでした。
第59話~第64話「島原潜入!そして池田屋へ」
さくらは島原の置屋に女中として潜入することになりました。そこで、さくらのサポート役を務めてくれたのは天神というランクの遊女・明里。のちにさくらは、明里が山南の馴染みであることを知ることに。ショックを受けつつも、彼女が出る宴席について回り情報収集するさくらは、土佐の出身と思しき二人の浪士、その仲間と思われる怪しい男に遭遇。早速歳三に報告します。
さくらがそうした任務についている間、勇は隊士の中から谷千三郎を近藤家の養子を取ることに決めていました。さくらと総司は相談を受けますが、二人は「異論は唱えないが、彼が近藤家の名に恥じるようなことをしたら斬り捨てる」と告げて了承したのでした。
島原での任務を終えようとしていたさくらは、足を怪我した明里の代わりに遊女として舞を披露することになってしまいます。しかも、宴席の出席者は勇たち数名の新選組幹部と、会津藩士。さくらは舞を踊りきりますが、歳三の機転で長居せず退場。この時のことが、のちに大なり小なり影響を及ぼしますが、それは最新話以降でのお話になります。
そして、通常任務に戻ったさくらを含め、新選組は京の町中に多数の長州藩士が潜んでいることを察知。物語は、新選組史上もっとも有名な戦い、池田屋事件へと進んでいきます。
以上が、第64話までのあらすじです。
1話から読むもよし、気になったところから読むもよし、これを踏まえて65話から読むもよし。(65話からが池田屋編、見せ場なのでぜひ読んでほしいです)
ぜひ、多くの方に楽しんでいただければ幸いです。
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