第124話 男前な注文はよく考えてから
なんだかんだで午前でシングル1・2とダブルスが終わった。
今の所はうちが2勝でリードしている。
「皆様お疲れ様でした。中々に面白い試合でしたわ。」
「さてとじゃ、昼食にしようかの。」
俺達は学園長2人に着いて行き食堂にやって来た。
試合をしていた女性陣はシャワーしてから食事するとの事で一旦別れた。
「ここは色々な料理があって迷うわね。」
「そうだね。うちとは違ってバランスもいいしね。」
食堂のメニューを見て悩む、坂俣さんと奏人さんに声をかけた。
何を食べるか悩んでいるらしい。
確かに並んでいるメニューは色々な種類がある。
肉や野菜の料理、麺類もあるし果物にデザートと…あれこんなにあったか?
「今日はいつもより多いですね。きっと皆さんが来るので気合が入ってるのかも。」
「それは有難いですね。次試合もあるので軽くにした方が…いや、ここでの日数考えると是非食べておきたい!うーん…。」
「奏人は悩み過ぎよ。私は…すいません。ここからここまでお願いします。」
「デザート系全種!?しかも頼み方男前すぎるでしょう!」
「よく言うでしょ?甘い物は別腹って…あなた今失礼な事言ったわね?しばくわよ?」
「す、すいません。ついツッコミが。」
「まぁいいわ。今の私は機嫌がいいから。料理持って行くのを手伝ってくれれば許してあげるわ。」
「はい、喜んで!」
そしてどんどん出てくるデザートを満足そうに眺めている坂俣さん。
俺はせっせと席に並べて行く。
「…これだ!すいません!ここからここまでを下さい。」
「奏人さんまで!」
そこまで食に執着するだろうか、2人共必死すぎるよ。
奏人さんも坂俣さんと同じ手法で料理を頼む。
ただ一つ違うところが…肉料理系全種って食べれるのか?
結局は大変そうだったので、机までは手伝いましたけど。
「「いただきます!!」」
「め、召し上がれ…。」
この机には肉料理系とデザート系が出揃っている。
見ているだけで食欲が無くなったわ。
それを見ていうた自分はサンドイッチと軽食で済ませる事にした。
「んぐ。あんたは小食なのね。」
「沢山…食べ…無いと、んぐ。大きくなれないぞ。」
「2人が食べ過ぎなんですよ…。」
大食いの番組って昔見ていたけど、実際見るのはなんとも…。
甘い物は量的には多くは無いんだが胸焼けしそうだ。
肉料理は…その細い体のどこに入るのか謎すぎる。
そこにシャワーで後から合流してきた先輩が来た。
「何この食事の量?大食いでもやってるの?」
「あら、別にこれくらい大した事ないわよ。」
「……用意しておきました!良かったら食べて下さい。」
「ん〜茶色ばっかり。野菜もらってくる。バランスは大切だからね〜。」
先輩は俺と同じ事思ってくれた。
坂俣さんは軽快にスプーンを口に運び、空の食器が増えていく。
そして始めこそがっついていた奏人さんは、目に見えてペースが落ちている。
何故こんなに頼むんですか?って聞いてみた。
「天《ソラ》がここからここまでって言ってたから…メニューに迷うなら俺もやってみようかと。」
冷静に物事考えていそうな人だと思っていたけど、負けず嫌いで冒険して失敗するタイプだった。
そこにサラダと小分けにできるお皿を持ってきた先輩。
「無かったから持ってきた。皆んなで食べるんだよね?はい。」
「(こくこく。)」
「む。このデザートはあげないわよ。」
「天は全部1人で食べるの?なら後で頼んでこよっと。何が美味しかった〜?」
デザートの話で盛り上がる先輩と坂俣さん。完全に箸を置いた奏人さんと目があった。
そして静かに首を振る奏人さん。
俺は急いで席を立ちカウンターでメニューを悩むリコさんとシロクさんにロスアさんを捕まえる。
「わぁ!茶色ばっかり!これ食べていいの〜?」
「はぁ〜これ頼んだの奏人ね?天は…相変わらずね。」
「あらあら。全くしょうがない子ね。」
リコさんが真っ先に食いついた。シロクさんとロスアさんはこの状況をすぐ理解して協力してくれるみたいだ。
食事は皆んなで美味しくいただきました。
その後に食事は残してはいけませんよっとロスアさんに優しく?奏人さんが怒られていた。
それを聞いていた俺はちょっと怖かった。
…とは言わずに心に留めておくのは言うまでもない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます