夏から始まる冒険。

第61話 急な用件?

あれから半年。

俺と先輩はいつもの日課である、学園の外周を終えて外で風に会ったている。


「ふぅ。最近暑くなってきたよね。」

「そうですね。こちらにも季節とかあるんですかね?」

「そうなると、今は夏ってかな?ならスイカ食べたい。」

「はは。肉や野菜があるんだから、果物もありそうですね。」


俺と先輩は風に当たりながら、他愛も無い話しをしていると入り口から誰かが出てきた。


「あ。いたいた。もう走り終わったの?」

「ルカちゃんおはよー。終わって涼んでるとこだよ。」

「夏に外で涼めるのか疑問だけど。」

「あーやっぱり夏なんだ。スイカ食べたいー。」

「スイカ?いずれ食堂にでると思うわよ。」

「本当!楽しみー。」


ルカさんだった。朝からここに来るのは珍しい。

先輩と涼んでいたが、どうやら今は夏らしい。

スイカの話で盛り上がっているけど、今日こそ一緒に走りに来たのか?


「ルカさんここへは何をしに?一緒に走りま―」

「それは無いわ。きりんが呼んでるのよ。」

「ですよね。そう言えば網野さん朝から学園長に呼ばれていましたよね。」


いつもなら俺と先輩と網野さんで走っているが、今日は呼ばれたと言って2人で走った。

網野さんは時々呼ばれて居ない日もある。

その後は普通に食堂でご飯を食べてるが、今日はお呼ばれされた。

俺達は着替えて食堂に来た。


「んぐ。翔と和歌じゃな。久しいのぉ。」

「学園長お久しぶりです。」

「きゅ!」

「あ、ペティットだ。元気だった?」

「きゅきゅ!きゅー!」

「そかそか、それは何よりだよー。」

「…皆揃ったわね。話をしたいから席に着いて頂戴。」


食堂に行くと、学園長と兎のペティットが食事をしていた。

先輩はペティットと何か話している。

俺達には分からないけど、楽しそうに話している。


「さっそくだが、任務で遠征する必要があるんだが…2人は?」

「うん。行く。」

「俺も行きます。」


網野さんは真剣な面持ちで、任務で遠征する必要があると言った。

ペティットと話していた先輩も聞いていたのか二つ返事。

先輩が行くなら、俺は一緒にいるだけだ。


「あら。すんなり決まったわね。」

「じゃから言ったんじゃ。翔と和歌なら大丈夫とな。」

「…あぁ。即答されるとは思ってなかった。」

「学園長がここにいるのは、その遠征が関係あるんですか?」

「うむ。依頼したのはワシじゃからな。」


ルカさん、網野さん、学園長はそれぞれに考えがあったみたいだが。

だけど俺達即答した。

今回は学園長も居るしただならない事なんだろう。


「では、改めて依頼するかの。」

「「……。」」


あまりの真剣さに俺と先輩は域を飲む。


「スイカを取って来てくれ。」

「「…………は?」」

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