第37話 俺達は何ができますか?

魔法陣から来た人が来て、ルカさんと先輩の試合は中断になった。


「改めまして、中断させてしまって申し訳ありません。」

「あぁ、それはしょうがない。それより状況を説明してくれ。」

「では。騎士部隊が討伐に行ってたんですが、包囲網をすり抜けて数頭学園に向かってると連絡を受けました。」

「そうか。我々はどうすればいい?」

「はい。今は正面にてサッカー部隊が展開済みなので、そのフォローをお願いしたいです。」

「了解だ。5分で行くと伝えてくれ。」

「は!では私は戻ります。」


ブォーン。

慌しく来た人は、また魔法陣へと戻っていった。

状況説明もざっくりでよく分からなかった。


「あいつはいつも唐突ね。きりんどうするの?」

「前衛は私とロー、リコ。翔と和歌はルカとヘレンの指示を貰ってくれ。2人を任せたぞ。」

「…あぁ。」

「了解よ。」


ルカさんときりんさんの話しで方向性は決まったみたいだ。

俺と先輩はどうするんだろう。


「さて、翔に和歌。完結に言うのでしっかり聞いてくれ。」

「「はい。」」

「2人が森で見た熊を憶えているか?」

「覚えてるよ。森の熊さんですね。」

「簡単に言うと、やつの討伐が目的なんだが。やつは群れで行動するので、今回はそれの討伐をする。」

「なるほど。俺達は何ができますか?」

「切り替えが早くて助かる。翔と和歌は基本回避をしてくれ。流れを見ていてくれ。」

「んーよくわからないけど、翔くんは分かった?」

「回避しつつ、戦いの流れを見る。ですか?」

「あぁ。それで頼む。」

「うん。わかった!頑張ってみるよ!」


どうすればいいかは、網野さんが説明してくれた。

森の熊さんと戦う事になりそうだ。

今回は回避で、戦いの勉強をするみたいだけど。

先輩はわかったんだろうか。きっと大丈夫だろう。


「では、皆行くぞ!」

「了解だきりんさん!やってやるぜ!」

「ローランド。張り切って、空回りしないようにね。」

「大丈夫だよ。リコがフォローするからね!」

「…。」

「翔くん、がんばろうね。」

「は、はい。程々にお願いします。」


ブォーン。

俺達は森に来た。


「あの魔法陣って森まで繋がってるんですねー。」

「有事の時の為に、パスを持ってる者だけ行けるのだよ。」

「でも、森に直接行き来ができると、何かと危なくない?」

「和歌は鋭いところをつくな。魔物は使えないようになっているし、パスは各部隊長しか持ってない。」

「そうなんですねー。なら安心ですね。」


ガァァァァァーーーー!!!


「む!この声は…。急ぐぞ、着いて来い!」


森に木魂する熊の咆哮。俺達は聞こえた方に走った。

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