第20話 能力確認するのはワクワクする。
謎のキャリーケースを覗き込む5人。何やらいろいろ話してて楽しそうですね。
俺の視線にヘレンさんと目が合う。
「…ルカ。」
「ん?なーにヘレン?」
「…不足。」
「あぁ。2人ともごめんね。ついつい盛り上がっちゃった。何せ能力確認とか、新たな発見って感じでわくわくするじゃない。じゃ能力と色について説明するわね。」
俺の視線で意図を汲み取ってくれたヘレンさんも凄いが。
ヘレンさんの一言であそこまで把握できるルカさんも凄いな。
「そうだなー。能力には人それぞれなんだけど、ある一定の種類があるんだよ。それを私は色にしたんだよ。」
「俺は青で。和歌先輩が白みたいな?」
「そうそれ。今の所確認出来てるのは4色。翔の青から説明しよう。青は速度の魔力。筋力強化なんだけど、瞬発力に特化してる能力が多いわ。うちだと、きりんが同じ青よ。」
「そうなんですか。網野さんと同じなんですね。網野さんがどんな能力か聞いても?」
「わ、私ですか。お、主に脚力強化です。」
ルカさんが説明し始めてくれた。青は速度の魔力ね。
でもって網野さんはすっかりいつもの様子に戻ってるし。
訓練とか試合じゃないと全然違う人みたいだ。性格が変わるのも魔力が原因なんだろうか?
そうなると、俺も性格変わったりするのだろうか。うーむ。
「じゃー次いくわね。赤の魔力についてだけど…。」
「赤は俺の能力だ!筋肉だ!力一筋!ふん!」
「そんな言い方やだぁ!!リコも同じ赤なんだからね!筋肉とかじゃないからね!」
ルカさんが赤の説明しようとして、ローランドさんとリコさんが参入してくる。
赤は筋肉ね。ふむふむ。
「ほらー翔が変に頷いてるよ!私はかわいい女の子なんだぞ!」
「がはは。女で筋肉でもいいじゃないか。俺は気にしないぞ。」
「リコが気にするの!」
「…2人は気にしなくて良いわ。で、赤は剛力の魔力。うちではローランドとリコが赤ね。主に筋力の持久が高く、攻撃や防御に適していて魔力量が多いのが特徴ね。」
成る程ね。ローランドさんの言う筋肉も間違いって訳でもないのか。
「はい。じゃー次は緑。技術の魔力で私とヘレンが同じよ。」
「…。」
「魔力の操作に特化していて、道具に付与したり生産する方が得意かな。私は専ら付与寄りだけど。」
「あー。ラケットも作ったって言ってましたし、発明家なんですね。」
「発明家?職人みたいなものかなー?」
「ま。そんな所です。じゃーヘレンさんは生産?」
「…あぁ。」
「ヘレンは生産で、魔力を食事に付与する能力よ。その内お目にする機会もあるかもねー」
技術の魔力は、縁の下の力持ちって感じかな?魔力操作は覚えておきたいな。
「あのー白は?私だけ謎ですかー?皆と違うみたいだし。ぐすん。」
「わ、和歌先輩!静かだと思ったら、いじけてた!かわ…大丈夫ですよ!これから!ね!ルカさん!」
「えぇ。白も話すわ。でも赤青緑を話した方がしやすいからね。」
「……。」
ずっと静かだった先輩が3色の説明が終わって、いよいよ話に入ってきた。
ちょっといじけてる先輩は可愛かった。思わず口にしそうになった。
慌ててルカさんに話を振ったけど。ヘレンさんにはばれた。
「じゃ、和歌の白だけど。最後にした理由は白が特殊なのよ。」
「特殊ですか?」
「えぇ。白は感受の魔力。周囲の魔力の流れに敏感で、感知や探索といった事が得意なの。それに3色の特徴の持久力・瞬発力・魔力操作をある程度使えちゃうの。」
「なるほどー。それってどうなんですか?」
「さっきも言ったけど白は特殊なんだよー。感覚が特化してるから3色の力も使えるけど、特化してるわけではないのよ。」
「んー?翔くんどういうことだと思う?」
ルカさんの説明を聞いてるようで聞いてない?先輩が俺に話を振ってきた。
なんて言えばいいだろう。感覚特化である程度使えるか…
「恐らくですが。周りの感覚を感じ取って、どんな戦い方もできる。勘が鋭いオールラウンダーって感じで、3色の能力に特化はしてないっと事ですかね。」
「そっか。頑張ればその分強くなれるって事だね!」
「まぁ感受だからね。言葉より行動で試す方がいいと思うよー。」
「あ。それ賛成ー」
俺の意見はもはやどこもかすってない。先輩…。
ルカさんの意見に先輩は乗り気だ。まぁ先輩にはその方がいいかな。
さて実際はどうなのか。しっかり見ておかないとな。
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