第18話 男同士と女同士の秘密。
俺は焦っている。なんか俺が先輩に溺愛してるように見えているらしい。
会って間もないヘレンさんにばれるとか、あぁそうだ、答えを返さないといけないな。
「ヘレンさん。恋人ではないです。溺愛ですか…気をつけます。」
「…頑張れ。」
応援されました。
しかし、ヘレンさんはこんな話もするんだな。意外だった。案外喋るのが好きなのか?
だが、これから少し気をつけないといけないな。ポーカーフェイス!キリ!
ヘレンさんはその辺り得意そうだ。ご教授頂きたい。
「…意外だな。ルカ以外に喋るヘレンは。」
「きりん。ヘレンは私以外も喋るわよ。」
向こう側の2人は何やら普通に話している光景がきりんには驚きだった。
「そうか?俺はあまり喋ってくれんぞ!がはは。」
「そうだね!リコにもあまり喋ってくれないよ!あはは。」
「ローランドとリコは一方的なのよ。ヘレンは速い会話は苦手だから。」
ローランドとリコはあまり喋ってないが、2人は気にしていない。
「翔くんは相手に合わせて会話ができる子だからね。それにヘレンさんみたいなクールでカッコイイ人に憧れてるところもあるし、話が合うんだと思いますよ。」
「ヘレンがクールでカッコイイ…。和歌は…その、ヘレンの事どう思う?」
「ヘレンさんですか?んー…あ。大丈夫です、取りませんよ。」
「そう。……って。え?え??」
「あれれ?違う?どう思うか…。あ、なら話してきます。」
俺はヘレンさんのクールなところを盗む為、いろいろ会話をして勉強をしていたら。
向こうから先輩が近づいてきた。
「あのヘレンさん!」
「…?」
「私の事どう思いますか?」
「…?」
ヘレンさんは俺の方を見て首を傾げる。唐突過ぎてさすがにどういう状況か分からないみたいだ。
先輩は行動に言葉が追いつかない感じの直感で動く人だからな。
「あぁ。きっと和歌先輩の今イメージとか印象でいいと思いますよ。」
「…元気。」
俺は先輩が聞きたいであろう事をヘレンさんに分かりやすく噛み砕く。
「そっかー元気ですね!ありがとうございます。あ、因みにル…」
「にゃーーーー!!!???」
「な、なんだったんだ?」
「…??」
先輩をダッシュで回収していくルカさん。
取り残される俺とヘレンさん。
「そろそろ次に行きたいんだが。ヘレン、翔。魔力は大丈夫か?」
「…あぁ。」
「はい、網野さん。次は何しますか?」
「魔力を底上げしないと試合もままならんからな。暫くは、『使い切って休む。』を繰り返す感じにしていく。」
そこに少し息の上がったルカさんと先輩が帰ってきた。
2人は何があったんだろうか?
「…いい?和歌は何もしないの!」
「わかったよルカちゃん。私、応援するね!」
「和歌…人の話、聞いていた?」
「んーきっと大丈夫。ルカちゃん任せて!」
先輩のペースに呑まれるルカさん。
俺も入学当時は大変だったな…そのうち慣れます。ルカさん頑張って!
「さて皆集まったところで。2人の能力確認してから次の訓練に移るとする。」
次の訓練もマジで頑張らないとな。俺は密かにそう思うのであった。
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