第15話 打ち合いやってみる?

網野さんとローランドさんの訓練が一区切り付いたみたいだ。


「今日も1本も決まらなかった…筋肉が足りないか。鍛えなおさねば!」

「これ以上どこを鍛えるの?ローランド。」

「ルカさん。俺はまだまだですよ。限界なんぞありません!」

「あー。うん。すごいね。頑張れー。」


ローランドさんは、まだどこか鍛えるみたいだ。

熊さんと同じくらいの身長あって、がっちりしている。

ルカさんの言う通り、どこまで鍛えるだろうか。


「ルカ、お疲れ様。2人はどう?」

「きりんもね。2人は…ね。凄いわよ。もう軽く打ち合いできそうよ…。」

「ん?ルカどうかしたか?」

「あ、いえ、なんでもないわ…」

「???…そうか。まぁ基礎より経験を速く積んでもらいたいし丁度いいな。どうするかだが…。」

「はい!はーい!リコがやる!やりたーーい!審判やったから動きたい!」


網野さんとルカさんが話してる間に、リコさんが突っ込んでいく。


「リコか。そうだな…和歌。打ってみるか?」

「リコちゃんがお相手してくれるんですか?やりますー!」

「そうか。ルカどうする?」

「それでいいと思うわ。和歌ちゃんの方は私がみるわ。きりんは翔さんを見て。じゃ、ローランドも貰うわね。行くわよー。」

「わかった。翔は、ヘレンと打ってもらう。2人とも良いか?」


リコさんと先輩が打ち合う事になって、ルカさんとローランドさんは反対側にあるコートに向かって行った。

俺も打ち合えるのか。なんかワクワクしてきた。俺は当然…


「…構わない。」


!!!ヘレンさんがいつの間にか俺の横に居た。びびった。


「はい!よろしくお願いします。」


俺とヘレンさんの訓練が始まる。


「では、軽く打ち合ってみろ。そうだな、翔。ハイクリアは知っているか?」

「俺達の居た世界では、高く打ち上げるみたいな感じですが一緒ですか?」

「それだな。ショットの認識が違ったらその時にでも言ってくれ。ヘレン数本打ち合ってみてくれ。」

「…了解。」


準備運動って感じか。しっかり感触を確認しないとな。

俺は網野さんに言われコートに入り構える。


―スッパーン。

ヘレンさんのロングサービスで、シャトルがこっちに飛んでくる。


―ぽーん。パーン。ぽーん。パーン。

…なんか俺のインパクトが弱い気がする。んー…ヘレンさんのように打てないな。

このラケット以外に扱いが難しい…な。


―ポーン。パーン。ポーン。パーン。

もうちょいだな。

…ルカさんは何て言っていたっけ?水や風を纏うだったかな。

ガットの部分に少し張るイメージで…


―パーン。パーン。パーン。パーン。


「ほーこれは…こうも簡単に扱えるとは。先程ルカがしょげてたのは予想以上に2人が出来てしまったからか。これは鍛えれば十分戦力だな。ふふふ。」


―パーン。パーン。パーン。パーン。

網野さんが打ち合いを見ている。

その後も俺とヘレンさんは、暫く打ち合いをしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る