断定

「で………結局何するんですか……?」

馬場はため息混じりに聞いた。


「今回の殺人事件の犯人を捕まえにいくんですよ。」

 竹下はさらっと言った。


「ん、ちょっと待て。もう一回、聞いていいか………?」

「補聴器を購入することをお勧めしますよ。

 実物がどんなものなのか知りませんけど。」

「だから、さっきなんつった?」

「これから犯人を説得して落としに行こう。そういうことを言いました。」


「まてまてまて………

 単刀直入に……犯人って……誰だ……?」

 馬場と中沢のみならず一課の皆が竹下に迫った。


「誰……と言いますと語弊があります。」

「誰だと語弊がある…………?」

「はい。」


 暫く彼らは悩んだが、全くもってわからなかった。


「わからないのは、当然です。

 容疑者の候補なんてまだ皆目見当がついていませんし。当然です。」

「え、いや……じゃなんでわかったんだよ………」

 馬場が更に迫った。


「今から行くところで説明しましょう。

 容疑者は…………」


 溜めてから告げた。

「人間ではありません!」

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