因果
では次に、被害者二人と高松総監の接点として考えられるのはなんでしょうか?」
「はて?」
「井村さんは前科者。つまり総監が彼を捜査していたかもしれませんよ。」
中沢は一応なるほど、といった。
「捜査資料を持ってきましょう。」
そう言ってサイバーセキュリティー課を後にした。
「えっと……事件は9年ほど前ですね……
そうそう、ここら辺にあるはずです。
中沢くん、これ全部向こうの机に持って行ってください。」
竹下は「2008年度暴行・傷害事件」と書かれたダンボールを指した。
15箱はあろう。
「え、これ、全部ですか?」
「一部だけなどとは一言も言ってませんよ。
私も手伝いますから。」
二人が資料を漁り始めたのが昼前であったが、すでに日は暮れた。
但し定時で帰っている人などほぼいないため、徹夜しても問題ないのだ。
そして新しい朝が来るのだ。
「おっと、やっとありました。」
竹下が資料を取り出した。
「中沢くーん、見つかりましたy……」
中沢は既に熟睡していた。
「まあ、徹夜なんていいことないですよね。」
竹下は捜査資料を全て元の棚に戻し、捜査一課に向かった。
中沢はズボンのコーヒーのシミを何日放置する羽目になるのだろうか。
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