本編PV2000突破記念〜おじさんと幽霊〜
「…………」
「……あ、こんばんは」
「あの……どうかしましたか?」
「……そうですか。もしよろしければ、私の家に来ますか?雨風をしのぐ屋根程度にしかなりませんが……」
「どうぞ。いやぁ、散らかる物すらなくて……」
「しかし、この辺に私以外の人がいたとは驚きましたよ」
《このアパート、誰も住んでいないんですか?》
「……ええ。このアパートに住んでいた人達も、みんな揃ってジャパリパークの中にある居住区域に引っ越してしまいまして」
「寂しくない……と言えば嘘になりますかね」
「ええ、まあ……ちょっと、気乗りしなくて」
「ええ……それに、優しい人ばかりだ」
「……ええ。私のような錆びれた男にはもったいないぐらいですよ」
「困った時は、お互い様です。……あ、そうだ。よろしければ布団を敷きますんで」
「……男臭いかもしれませんが、それでも良ければ」
「ああ、大丈夫です。雑魚寝には慣れっこなんで」
「いえいえ、お気になさらず。お客さんが気を遣う事はありませんよ」
「ははは……私も、何年かぶりに職場以外の場所で女の人と話をしましたよ」
「ん?……ああ、女房と娘です。ちょっと訳ありでして……」
「え____
待ってくれ……
「待ってくれ!」
……
……夢…………か?
俺……布団で寝てたっけ……?
……そろそろ仕事に行かないと、な……
……じゃ、行ってくるよ。
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