9月18日 髪を切ってもらったりする

 ザンバー!

 雪車町地蔵だ。


 いい加減枕詞が適当になってきたと思っているな、その通りだ。


 髪を切ってもらう機会があった。

 普通に理髪店とかに行け、という話ではあるのだけれど、なんとなく頼み込んで。

 面倒というよりは不安そうな相手を押し切って、ハサミと櫛を手渡す。

 失敗したら坊主にすればいいからと、適当なフォローを入れつつ任せる。


 髪の毛を人に切ってもらうというのは、結構信頼が必要な行為だ。

 何せ自分の背後に立たせて、刃物まで渡すのだから、普通に考えれば怖い。

 逆に言えば、髪を切ってもらえる相手というのは、一定の信頼がおけるということにもなる。


 前髪を切りすぎた、全体的におかしいとパニックになる相手に、すきばさみを入れればだいぶイメージは変わるとなだめ、続行させる。

 最後はシャワーでざっと流して、完成。

 予想よりはるかに上出来で、相手も安堵に胸をなでおろしていた。


 人生とは忙しく、それなりに退屈だ。

 ひとは常に刺激に飢えていて、より強い刺激を求める。

 けれども、そんなに強い刺激なんて、早々に転がっているわけがない。

 だから、必要なのだ。

 こう言った、なんの変哲もない日常が。

 穏やかで、ただそうあるという日々が。


 相手には、あとで料理をおすそ分けに行こうと思う。

 おいしいという刺激になるような、そういう信愛を込めた料理を。


 本日は、以上。



(え……なんかしんみりしてるんだが?)

(エッセイ的な? 日記的な?)

(ここははっちゃけるところだろ! もっと過激なこと書けよ! ぷんすか!)

(なにを怒っているか見当もつきませんね……それでは、アデュー!)

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