7月23日 シャボン玉

 テイクミハイヤー!

 雪車町地蔵だ。


 ふと、なんとなく。

 しょぼんだまを飛ばしてみたくなって、友人連中で集まった。


 はじめは食器用洗剤を水で薄めればいいだろうと思っていたのだけど、


「洗濯のり、入れましょう」

「でんじろう先生のやつか」

「手もとになくね?」

「砂糖がある」

「なんの砂糖ですか?」

「さっきコーヒー買ったときについてきたやつ」


 と、妙にいい大人たちが凝りだした挙句、ストローを切ってより大きなシャボン玉を作れる吹き具をつくったり、針金に毛糸を巻き付けて輪っかを作りはじめて、炎天下の中でガチモード。


 最終的にたくさんのしゃぼんだまを、空に向かって無数に飛ばしながら、例の歌をみんなで歌うというカオスを披露することになった。


 うん、疲れてたんだよ、たぶん。


 風に吹かれて揺れるしゃぼんだま、どこまでも高く、どこまでも彼方へ。

 くるくると回る虹色の表面は、やがて破れて弾けて消える。

 それはいかにもはかなげで、そうして美しかった。


 時にはこうやって童心に帰るのもいいなぁと、アイスやラムネを片手に、友人らと語り合った次第である。


 ……あまったしゃぼん液の処理に困ったのは、まあ、お約束といえば、お約束といえるだろうか。

 今日は以上ということに、しておいてほしい。



(ノスタルジー)

(夕焼け空ならもっとよかったでしょうが、青空もオツなものです)

(オチは?)

(ちょっとしゃぼん液口に入れちゃった人がいて大変だった、とかで。それでは アデュー!)

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